第６９話 ページ24
いつもより視界が狭いな。というのが起きてから最初の感想だった。
『、目、腫れてるんだ…』
理由も分からず違う世界へ来てしまった私。頼れる人は、きっといない。
案外生きていけるかもな、って思ったのが間違いだった。浅はかな考えだった。
ｰｰｰｰｰｰ１人が、こんなに寂しいだなんて。
１人が、こんなに辛かっただなんて。
ポロッと出てきてしまう涙を無理やり擦り、水をバシャバシャと顔にかけ洗面所から出る。
リビングに出ると、何かが置いてあった……料理？
……恐怖、それが私を支配した。
誰、不法侵入じゃ…！
しかし、それを見てみるとなんだかとても上手で美味しそうで。
くぅ、と鳴るお腹。
私の三大欲求は、恐怖に打ち勝ってしまった。
．
ここに来て初めての食事が、誰が作ったかも分からない食事だなんて。
肉じゃがに、ご飯、ほうれん草の和え物。…元々ここの冷蔵庫に有ったもので作ってくれたのかもしれない。
どれも本当に美味しくて、特に肉じゃがは三ツ星レストランに出せるレベルだった(そんなメニュー無い)。
誰か分からないけれど、美味しいご飯を作る人に悪い人はいない！
『ごちそうさまでした！』と手を合わせ、食器を洗う。
何故かここには、生活用品が全て揃っていた。服も、メイク道具に…そして、私がもとの世界で好きだったお人形も。
深くは考えないようにし、お風呂へ入る。
疲れた身体に温かいお風呂が染みる。お風呂大好き。
ガシャガシャと髪の毛の水気を取りながら自室へ行くと、なぜか懐かしい匂いがした。
これは…なんの匂いなんだろう。
煙草と、男物の香水…？
…前使っていた人は、本当につい最近引っ越していってしまったのか。
無い頭で推理しても何も分からない。
取り敢えず自室をUターンした。
．
３LDKのお部屋だった。
通帳にはあり得ないほどのお金が入っていた。
もう卒倒するレベル、一生遊べるもん。
美味しいご飯を食べたからか、少し心に余裕が出てきた。
何やら、私はとある人と似ているらしい。
そして、その人は＿＿＿＿＿もしかしたら、もうこの世にいないのかもしれない。
だってポアロ？の店員さんも、眼鏡の少年も、そして路地裏で出会ったあの人も、みんながみんな私を見て動揺していた。
というか………みんな執着してたんだなぁ、その人に。
．
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ccndayo(プロフ) - はあ。。素敵すぎました。途中で涙が笑 (2021年1月6日 2時) (
レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
れいすみす(プロフ) - 幸せでした…尊いをありがとうございます…しゅき… (2020年5月26日 19時) (レス) id: 993cffbbce (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 涙がボロボロと、止まらなかったです…凄く良い作品、ありがとうございました…( ；∀；) (2020年5月4日 10時) (レス) id: c930be9ed1 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (2020年2月12日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)mこれからも素敵なお話を作ってください！ジン様好き〜〜〜！ (2019年11月23日 0時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あると | 作成日時：2019年6月25日 2時
