おはよう ページ2
***土曜の朝にて
「マサキ、今日は友達が来るんでしょう?早く起きなさい」
「ふぁ...はーい」
瞳子さんの声で目が覚める。昨日は目覚ましを付けて寝るのを忘れてたみたいだ
いつものようにベッドから飛び降り階段を下がっていく。
Aさんに挨拶をしようかな...起きてなかったら起こした方がいいだろうし
リビングとは反対のAさんのドアに手をかけた時。
「...開けない方がいいわよ」
「どういうことですか?」
やけににこやかに言ってくるもんだから、何故かますます分からない。
[?]が頭に浮かんでいる俺に、一度咳払いしてから理由を話す。
「...今玲名と杏が着替えさせてると思うわ」
バッ、と手を引っ込める。それと同時に分かっていたかのように瞳子さんが笑った。
何か開けてもないのに、顔が少し熱くなる。
瞳子さんの声が聞こえたのか、ドアの向こうから微かにAさんの笑う声が聞こえた。
リビングに向かうと、数人の出遅れた子供とそれを追いかける緑川さん。
...勿論、席の端っこにヒロトさんがいる。ってか滅茶苦茶警戒されてる。
「...おはようございます、ヒロトさん」
「...おはよう」
新聞紙を少し下げ、鋭い瞳だけをこちらに向ける。
昨日のことを気にしてるのか、俺に何か言いたいのかもごもご。
まぁ、俺としてはAさんと仲直りしてもらっただけで十分なんだけど。
「...ありがとう」
「?」
「...キッカケをくれて」
そっけなく言う言葉が、何処かあの人に似ている気がした
やっぱ血が繋がってるんだなぁ、とか思う...
「どういたしまして」
「...緑川!もう仕事行くよ」
「えーもう行くのー?」
「時間!」
単調な言葉を繰り返し、緑川さんを急かし始める。
なんか、耳赤いけどあの人大丈夫かな...
.
.
.
.
.
「おはようマサキ君!ねぇねぇ、このお洋服どう?」
朝食を済ませてAさんの部屋に行ってみると、見違える格好になっていた。
ふんわりとした水色のワンピースに、黒いリボンが付いたクリーム色のカーディガン。
胸元ではヒロトさんから貰ったネックレス、左手の薬指には風丸さんからの指輪が輝いている。
「...可愛いです、見違えますね」
「やった!マサキ君のお友達、早く来ないかな...」
そう呟く声に重ねて、インターホンが部屋に鳴り響いた。
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夜月桜 - な、泣ける。・゜・(ノД`)・゜・。 小説でこんなに感動したことないです(>_<) (2017年3月29日 20時) (レス) id: 889de71093 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» こちらこそよろしくお願いします!よろしかったら他作品もよろしくお願い致します。 (2015年1月3日 20時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - よろしくお願いします! 更新頑張ってください!! (2015年1月3日 16時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» コメントありがとうございます!もうすぐラストなので、この雰囲気を保ちつつ納得がいくエンドをかけるよう頑張りたいです。更新も張り切りますので今後もよろしくお願い致します。 (2015年1月2日 15時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - すごく良かったです!読んでるとき涙がでてきてもう大変でした笑 更新待ってます^^ (2015年1月2日 15時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時:2014年9月20日 20時