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犯人探し 〜3〜 ページ29

2人でイチャイチャお昼を作っている中、フロイドの電話が鳴った。

「メグからだ…」

フロイドが応答する。

「フロイド。進展よ。第三者委員会からの報告で、ドーピング検査室から微力だけど、魔法を使った痕跡があったって」

「マジで?でも、その日に魔法使ったかまでは分かんねぇだろ?」

「ええ。だけど、大会前後、あの検査施設を使ったのは大会のあった2日間だけ」

「……すり替え魔法…」

「そういう魔法があるみたいね。私には良く分からないけど、もしかしたら、フロイドもその魔法を使われた可能性も出てきたって事ね」

「ざっくりだけど…」

「何も出てこないよりマシでしょっ。もっと喜びなさいっ。じゃっ」

メグは一方的に電話を切った。

「A…。もしかしたら…、魔法が絡んでるかも…」

「魔法?だって、魔法は使えないって…」

「選手はね。レース中に魔法使えば魔力感知機が反応するから。でも、ドーピング検査室は魔力感知機は置いてない。それに、検査員たちは全員魔法使えない人しかいないんだ」

「…すり替え魔法っ…」

「うん。でも、そんな事出来るのって…相当の魔法士だよ?」

「フロイド君だったら?」

「場所にもよるけど…、たぶん動きでバレるかな〜。つーかさ、検査室に入ることすらムリじゃね?」

「そうだよね…。あと、すり替え魔法ってすり替えられた瞬間って分かるの?」

「たぶん分かんないと思う」

「しかも…人の尿を?……なんか…うーん…」

「尿自体はオレので間違いないんだよね。詳しく調べてそれは分かってる」

「じゃぁ…、容器?」

「うん。たぶん」

「何個かあるうちの未開封の容器をフロイド君が自分で選んで取るんでしょ?」

「うん。だから狙うならそこだよね。オレが取った直後にすり替え魔法かける…。しかも中身だけね」

「しかもフロイド君の動きが見える所じゃないと無理じゃない?」

「ムリ」

「どういう事…?」

「分かんな〜い」

カレースパイスを鍋に振りかけながらフロイドが笑った。

「何笑ってんの…」




それから半月程が経った。

「メグさんっ」

「あらサム。どうかした?」

練習日の昼休み中、サムはメグを捕まえた。

「あの…」

「ん?」

食堂には人がたくさんいる。

「聞かれたくない話なのね?分かったわ。こっちよ」

メグはサムを練習場の会議室に連れて行った。

「ここならどう?」

「すみません、ありがとうございます…」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時

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