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苦悩 〜8〜 ページ22

ポーンッ…

1レース目が始まった。

スタートダッシュもフロイドが断然速い。
キーズもついて行くが、フロイド程の身のこなしが出来ず、差が広がる。

やはり最後は軽く流してフロイドが先にゴールした。
それから数秒遅れてキーズがゴールする。

「分かっていた結果だけど、キーズも同じチームだからねぇ。なんか、胸クソ悪いわ…」

「メグさん…」

〜言葉遣いが…〜




その後もフロイドはミリア選手と対戦。
去年と同じような接戦だったが、やはりフロイドが勝った。

その次のレースも勝ち、フロイドは決勝に残った。

「オーリスの分析は完璧。またコピーされても問題ない」

「オレだって進化し続けてんだよっ。それをアイツに見せつけてやる」

「その調子だっ」

このレースに勝てば三連覇達成だ。
しかし相手はまた世界大会決勝で対戦したオーリス選手だ。
去年はフロイドの動きをコピーしてきた。

控室はどうしても緊張感に包まれる。

フロイドがAに近付いてくる。
そして乱暴に抱きしめる。

「いい匂い…」

「うん。いっぱい嗅ぐ?」

「うん…」

「フロイド君も、いい匂い…」

「汗臭い?」

「違うよっ!ほら、私と同じ…海の匂い…」

「やっぱ汗臭いんじゃーんっ」

「だから違うって!」

「知ってるよぉ…。Aと同じ匂いなんだろ〜?」

「たぶんね…」

「夫婦で同じ匂い」

「うん」

「嬉しい?オレとお揃い…」

「うん。嬉しいよ…」

周りのスタッフは2人の世界にひたすら耐え続ける。

「いい匂い…」

フロイドがゆっくり大きく深呼吸した。

「また、新記録出しちゃおっかなぁ〜」

「うん。期待して応援するね」

「うん。Aのために、新記録出してくる」

「頑張ってね」

「うん。行ってくるね」

フロイドはAにキスをして通路へ消えた。





そして、フロイドは宣言通り新記録を出して優勝した。

三連覇達成。




賢者の島ではフロイドが大会三連覇した事をテレビで速報で流した。

街では号外も配られた。





「おめでとうフロイド君っ!」

「A〜っ!三連覇〜っ」

ウィニングランを終え、フロイドが控室に戻って来た。

「今年は飛び降りなかったわね」

「私が恥ずかし死しそうなので、フロイド君に我慢してもらったんです」

「そうなの」

「今年もオレが優勝したら受け止めてやるって言ってんのにさぁ。恥ずかし死しちゃうからムリ〜!とかゆーんだもん…」

「人って恥ずかしすぎると死ぬものなのかしら?」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月15日 10時

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