ウツボ好き監督生がウツボの人魚に恋をする 8 【ツイステ】 (ページ34)

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フロイドの計画　〜6〜ページ34

「このマイペースがまたカッコイイよねぇーっ」

スタッフがやはり手を休めること無くテレビを観てうっとりしていた。

司会者が記者会見開始を宣言する。
まずは監督が挨拶を始めた。

『えー…。皆様、この度はお集まり頂きありがとうございます。そして、フロイドを応援してくださった皆様にもお礼申し上げます。皆様の応援のお陰で、今回、フロイド・リーチは、パルクール世界大会で優勝することが出来ました。また……』

「監督の話は良いからぁっ！早くフロイドの生の声聞かせてぇー！」

それでも、長々と監督は話を続けていく。
その間、フロイドはつまらなそうな顔をしていた。

「あの顔…、つまんねぇ！みたいな顔っ！思ったままを態度にする所が素敵よね〜…」

〜そうなんだ…〜

そして、監督の長々とした挨拶がやっと終わった。
その時には食堂も少しずつ落ち着き始める時間だった。

「結局、監督の長い挨拶のお陰でこれからフロイド様の生の声、ゆっくり聞けるんじゃないっ？」

『監督ありがとうございました。それでは次に、リーチ選手から一言お願い致します』

遂にフロイドが話す。

食堂のスタッフ全員がテレビに注目する。

『どーもー。人魚のくせにぃ、パルクールの世界大会で優勝したフロイド・リーチでーす』

会場から笑いがこぼれた。

『オレさぁ、今回の世界大会で絶対に優勝してやるって気合入れてたんだよねぇ』

『何か特別な理由が？』

勝手に一人の記者が質問した。

『後程質疑応答の時間を設けますので質問は…』

『別にいーじゃん。気になった時に質問してくれた方がオレも答えやすいしぃ』

フロイドが司会者の言葉を遮った。
監督が司会者にうなずくのが見えた。

「出たっ！フロイドスタイル〜っ！大好きっ」

〜フロイドスタイル…〜

『そう。特別な理由があったんだぁ』

『それは私たちに教えて貰えるのでしょうか？』

『うん。そのために普段断ってる記者会見やってんだよ』

会場からどよめきが聞こえる。

『オレ、結婚しまーす』

「結婚っ!?」

「えっ？」

記者会見の会場も食堂もどよめきしか聞こえてこなかった。

〜フロイド君っ…。何でっ…〜

会場の記者からは突然の発表に質問が殺到した。

『ねぇっ！全部答えるからさぁ、順番に質問してくんない？オレ逃げたりしねぇからっ』

ほとんどの記者が手を挙げる。
さすがにここは司会者が仕切り、一人ずつ当てていく。