就寝前の習慣 〜1〜 ページ37
「あの、明日なんですけど…」
「うん。どした?」
「街に買い物行っても良いですか?」
「熱下がったばっかじゃん」
「でも…、早く自分の服も欲しいし、フロイド先輩と…、デート…したいし…」
Aがフロイドの様子を伺う。
「ダメ…ですか?」
「ふぅ…」
フロイドが遠くを見ながらため息をついた。
「小エビちゃんが大丈夫なら…いーけど…、ムリすんなよ?」
「本当にっ!デート、してくれますかっ?」
「分かった。デートしてあげる〜」
「うわぁっ!嬉しいっ!ありがとう、フロイド先輩っ」
「じゃぁ、明日街に着てく服は、オレが決めるよ〜。どーせオレの服しか持ってねぇんだから」
「フロイド先輩にコーディネートしてもらったら、めちゃくちゃオシャレになりそうっ!楽しみですっ」
「街で買う服も、少しはオレに選ばせてよね〜」
「もちろんですよっ!あー…、早く明日にならないかなぁ」
とても喜ぶAの姿を見て、フロイドも嬉しくなった。
「明日の昼メシ、何か食いたいもんある?」
「街に行くのも初めてだし、フロイド先輩のオススメのお店で食べたいです」
「おっけー」
「あ、あと、絶対に、目覚まし時計、買いますからねっ」
「分かったよぉ…。オレのアラーム、うるせぇんだろ?」
「フロイド先輩が起きないからでしょっ!」
「うん。小エビちゃんに起こしてもらうまで起きないもん」
「それから30分いい匂い嗅ぐ時間でしょ?」
「うん。毎日ね。寝る前も」
「今夜も?」
「当たり前じゃ〜ん」
フロイドがAを後ろから抱きしめてソファーに座る。
「こうやってぇ…」
フロイドはAの首に後ろから顔を埋める。
そして深呼吸する。
「マジでいい匂い…。やめらんないよ…」
「毎日、朝と夜、嗅げるでしょ?」
「うん。これしないと、オレ、死んじゃう」
「もう大丈夫です。私、消えないから。うふふ…」
「……うん…」
「オンボロ寮、怖いけど、オクタヴィネル寮の部屋が空いてなくて良かったです。こうやって、フロイド先輩と二人になれるから…」
「そーだね〜。二人暮らしみたい」
「いつか…、本当に二人で暮らせると良いな…」
Aがフロイドの髪を撫でる。
「オレ、頑張るっ」
「何を?」
「色々〜」
「うふふ…。私も、頑張るっ」
「うん…。二人で…、頑張ろうね」
「はい…」
「小エビちゃんのベッドで、もっといい匂い嗅ぎたい」
「良いですよ。そのまま一緒に寝てくれるなら…」
「うん…」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時