フロイドの毒 〜11〜 ページ17
「うん。まず、薬飲もうね」
「頭…痛いの…」
「そうだね。大丈夫。薬、効くよ…」
フロイドがAを抱き起こす。
そして薬を飲ませる。
「上手に飲めたね。良い子に出来たらから、抱っこしてあげるね」
Aを抱きかかえたままフロイドもベッドに横になる。
「ほら。良い子に出来たご褒美の抱っこ…」
「うん…」
「まだ熱も下がらないし、頭も痛いでしょ?またゆっくり眠ろうね…」
「…一緒に…いてくれるの?」
「……うん。いるよ…」
「…そっか…」
「うん」
フロイドはAの熱い唇にキスをする。
「ゆっくり寝ようね…」
少し時間がかかったが、Aは眠った。
「ジェイド。小エビちゃん、寝たよ」
キッチンに行き、フロイドがフレンチトーストを食べ始める。
「分かりました。もし何かあれば僕から連絡しますので。なるべくフロイドになれるよう、努力しましょう」
「抱っこする時、左肩に当たんないように気をつけてね…」
「ええ」
「たぶん…、キスは求めて来ないと思うけど…、その時は」
「上手く誤魔化しますから、安心してください」
ジェイドが微笑んだ。
「うん。別に心配はしてねぇよ。ジェイドだから…」
「ふふふ。双子だからこそ出来る入れ替え作戦ですしね」
「小エビちゃんを不安にさせたくないからさ…」
「お任せください」
10時になった。
フロイドはAをジェイドに託し、アズールと共に出版社へ向かった。
ジェイドはAの部屋にそっと入る。
「小エビちゃん…」
フロイドの声になるべく似せて声を掛けた。
「……ん…」
反応してしまった。
しかしジェイドは全く動じる様子もなくAに接する。
「熱、計ろっか」
「抱っこ…」
「うん。熱計ったら、抱っこしてあげるね…」
「…うん…」
ジェイドがAの熱を計る。
「40.1℃。頭、痛い?」
「うん…。抱っこは…?」
「うん。してあげる…」
ジェイドが優しくAを抱きしめる。
「……フロイド…先輩…」
「なぁに?」
「……いい匂い…」
「うん…。小エビちゃんも、いい匂い…」
「抱っこは…?」
「うん。今してるよ…」
「…そっか…」
「スポーツドリンク、飲む?」
「大丈夫…」
「うん。オレ、ここにいるからね。安心して寝ようね」
「うん…」
少しするとAの寝息が聞こえてきた。
ジェイドはゆっくりAから離れてソファーに座った。
そしてお気に入りの本を読み始めた。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時