親友の秘密を知ってしまった。

８.一緒に入りたい ページ10

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『え、っと…』





色っぽいグレースの雰囲気に
同性であるにも関わらず、一瞬ドキッと胸が高鳴った。


……きっとそれは夜だからに違いない。





ブンブン、と邪念を振り払うように頭を振って、
グレースから少し目を離して呟く私。



『じゃあ…恋バナでもする？』




女友達と恋バナだなんて学生時代以来ずっとしていないし、ちょっとやってみたかったんだよね





「恋バナ？」



『うん
彼氏さんのこと聞きたいなぁ〜』




それと今日山田くんに貰った手紙の事を
グレースに報告しとかないと。



手紙をもらった…なんて伝えたら
グレースはどんな反応するかな。





1人でニヤけていると、
薄ら笑みを浮かべたグレースが口を開く。




「恋バナって…貴方、好きな人いるの？」



『んー…
好きな人、っていうわけじゃないけど
気になってる人はいるよ』



「ふぅん…」





照れながら言うと、スッと視線を低くしたグレース。



…組んだ足に頬杖をつきながら
私の事をじっと見つめてくる。



……だから、いちいち色っぽいのやめて欲しい。





「そういえば…
手紙の相手の名前もまだ聞いてなかったわね」



『！そうそう…！それがなんと
“山田くん”からだったんだ』



「……山田ね」



『…？』





ずっと思ってたけど、なんて言うか
今日のグレースの様子はおかしい。


仕事の時は普通だったんだけど…




…やっぱりさっき
あの3人組の女にまた何か言われたのだろうか。





『ねぇ、グレース』




「なに？」




『一緒にお風呂に入らない？』




「」






温かいお風呂に2人で入れば楽しそうだし

我ながら良い案なんじゃ…と思ったのもつかの間





「え、なっ…
それはダメ」




『え、なんで？』




「えっ…と、」






困ったようにあたふたし始めたグレース。


…照れてるのかな？



いつもは大人っぽくて綺麗なグレースでも、こんな風に可愛い所もあるからたまに羨ましく思う時がある。






『背中、流してあげるよ？』




グレースに近づいて笑って見せると


彼女から顔を近づけてきたかと思えば、





「私があなたの事襲っちゃう」



鼻がくっつきそうな距離でそう言って
優しく笑ったグレース。





『…！？』




「冗談よ」




『な…っ』







恐らく顔が赤いであろう私の背中を押して
脱衣所へと向かっていくグレースの足。







「さ、早く入っておいで」




…ホント、心臓に悪い。






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