6.お泊まりしたい ページ8
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「ナイショ」
ほら、またそうやって可愛く秘密を作る。
グレースって、可愛くて綺麗だけど
ミステリアスな所もあるんだよなぁ
今回の件もそうだけど、彼女は感情を隠すのが上手い
私がどれだけ心配しても、彼女は笑ってるから
今日はなんとしてでも……
『グレース…今日はなんとしてでも泊まるから』
「……
え」
初めて彼女の笑顔が引きつったのを見た気がする。
どんな事があっても、どれだけ仲良くても
私たちはお泊まり会をしたことなど無かった。
「な…
ほ、本当に大丈夫よ?
気にしないで」
『ううん。』
ニッコリ笑顔を浮かべた私は
持ってきた
「……それは?」
『お泊まりセット』
「」
ニシシ、と歯を見せて笑った。
……だけど。
グレースの笑顔が引つるのはよっぽどの事だ…
いつも自分の意見を何も言わない彼女の事だ
もしかしたら嫌なのかもしれない。
『…なんちゃって。もう遅いし部屋に戻ろっかな!』
「・・、」
また今度誘えばいっか。
なんなら近々、私の部屋にお誘いしちゃおっかな?
ニヤニヤしながら踵を返そうとしたその時。
__「じゃあ、明日私の部屋でさぁ…」
__「いいね〜それ」
『…!』
「…、」
聞こえてきた声。
しかも聞き覚えのある…
「じゃあさ、“山田くん”誘っちゃおうよ」
「いいねいいね〜」
その声はだんだんこちらに近づいてくる。
…“山田くん”?
ってか待って。やっぱり、この声…
「……は?
グレースと水瀬?」
『・・、』
姿を現したのは、
グレースにジュースぶっ掛けた3人組の女たちだった。
「性格の悪い2人が揃ってるわ!」
ケラケラと笑い出す3人。
グレースを庇うように立っていた私だったけど、
「A…先に、私の部屋に戻っててくれる?」
と言って
グレースが後ろから私の両肩に手を添えた。
『でも、グレース』
グレースは私が守んないと。
…そう思ってたのに。
「ほら…そんな顔しないで」
『……うん』
背中をグイグイ押される。
私がその顔に弱い事を知ってるくせに。
…上手く乗せられた気がする。
何度も振り返りながら、
私はすぐ近くにあるグレースの部屋まで向かった。
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『(あれ、自分の部屋に戻ろうと思ってたのに)』
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時