48.拉致の巻き添い ページ50
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「どこ行くの?A」
『あ…ううん、ちょっと』
出ていこうとするとグレースに引き止められる。
直美が心配だった私はまだ少し休憩時間が残っているうちにトイレへと向かうことにしたのだ。
開閉扉に向かう途中、
ある会話が背後から聞こえてきた。
「グレースさんってAさんと随分仲がいいんだね!」
「え?えぇ、そうね…
でもなんでそんな分かりきったことを」
「柔軟剤の香りが同じだもん!」
「!」
あの少年だった。
今は一緒に生活してるもんなぁ…
別に隠すことでもないからいいんだけど。
「……それは、たまたまよ」
『!』
扉の前で思わず立ち止まった。
自動で開く扉は私が立ち尽くしてるために
開ききったままで
私は咄嗟に振り返る。
『グレース、どうして…』
なんで一緒に過ごしてる事を隠したの?
それも隠さないといけない理由があるの?
それもまた秘密にするのかな
(グレースの秘密主義バカ……)
『グレース!』
「!」
『あとで話があるから
2人きりで』
「…」
それだけを伝えると、
冷ややかな笑みを浮かべるグレースを尻目に
私はメインルームを後にした。
・
『あれ、いない』
それから辿り着いたトイレの個室は空。
…直美はいないらしい。
床には水滴が沢山こぼれている。
『…これって、』
それは点々とどこかに続いているようで、
私はその跡を追ってみることにした。
(直美、もしかして…)
ずっと感じてたけど
やっぱり何か嫌な予感がする。
水滴の跡を追っていくと、ある場所に行き当たった。
『ここは…!』
ドライデッキ…中には誰かがいる気配がする。
『…、』
(怖いけど)
私にはピンガさんがついてるもんね
…なんてを考えながら、
扉を解除してドライデッキ内へと入った。
すると、中に居たのは…
『……!!?』
「!?」
「何でここが…!」
ウェットスーツに身を包んだ2人の男女の姿が。
『!』
近くに置かれたカートには
眠らされた直美の姿が確認できた。
『直美…!?』
だとしたらこの状況…まずい。
『ぐ、グレース…』
今のうちに早く、連絡を…!
素早くグレースに連絡を入れた次の瞬間
視界が真っ暗になった。
・
続編行きます!▶︎
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時