47.甘々コーヒー ページ49
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「15分の休憩のあと、引き続き各設備のテストに入る」
局長の声に一気に緊張が解れた。
やっと休憩できる…!
私と同じように気が緩まったのか、
何人かはメインルームを出ていってしまった。
「皆さん、コーヒーはいかがですか」
『あ、私も手伝うよ直美』
私も席を立とうとしたその時、
『!』
クンッ、と袖を引っ張られた。
「私がやるわ」
『グレース…?』
にっこり笑ったグレースだった。
『え、でも…
グレースにはいつも持ってきてもらってるし悪いよ』
「貴方の為だもの
ほら、大丈夫だから…ね?」
わしゃわしゃ頭を撫でられる。
…グレース、
私がこれに弱いこと知っててやってんのかな。
「何がいい?」
『じゃあ…いつものコーヒーで…』
「OK
ミルクと砂糖入りね」
『うん、ありがとグレース』
大人しく座り直すと、グレースはふっと笑って
直美の元まで行ってしまう。
そんな彼女を目で追っていくと、
先程の少年が目に入ってきた。
「砂糖入りをこれだけ」
『!』
警部たちの元から戻ってきたあの男の子は
右手の親指と人差し指を立てながら直美に伝えた。
へぇ…あの男の子、なんか賢そう…。
ボーッと考えていると、
「OK、砂糖入りコーヒーを1つね」
…と、グレースが答える。
(え?)
グレースってフランス出身だし
あの指のサインが分からないはずが無い。
直美がすかさず「2つ」と訂正したけど…
私はこの時も、
部屋を出ていくグレースから目が離せなかった。
そして何故かその時、あの少年と目が合ったけど。
・
グレースたちが戻ってきたのは数分後。
熱々のコーヒーを受け取り、
飲み口の隙間から息をふきかけて
熱を冷ましながらコーヒーを飲んでいた。
「相変わらずの猫舌なのね」
『火傷しそう』
でもグレースは難なく飲めてるし
私の甘々コーヒーとは違ってブラックだし…
普通にかっこいい…。
…そんな時、
「顔の骨格から成長した顔を予測するというのは
どんな方法で?」
…と、黒田管理官が牧野局長に尋ねた。
さっきからずっとこのシステムについて話し込んでるみたい。
「確か、解剖学と統計データで計算するAIを使ってるとか…詳しくは直美に。」
『…あれ、』
肝心の直美がまだ部屋に戻ってきていない。
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時