46.差別 ページ48
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牧野局長が言うには、
うちのブイで何かあった時のために
警視庁に来てもらったとの事。
何かあった時の為って…冷静に考えたら怖い。
「最新技術を日本の警察にだけ公開するなんて
不公平じゃないか…!」
「日本はインターポールの加盟国だ
必要があれば技術を提供するのは当然だ」
一方的に文句を言い続けてるのはレオンハルト。
この期に及んでまだそんな事を言ってるなんて…
グレースと一緒になってため息をつくと
一瞬、レオンハルトと目が合った気がした。
「ここのトップが日本人だから日本びいきってわけか」
「なっ…!」
『!』
その言葉に私も衝撃を受けた。
私だって日本人だし、
それにレオンハルトが今私のことを見てたのは…。
『レオ__』
「いい加減にして!」
『…!』
思わず言葉を挟みそうになった時
私と直美の声が重なった。
(つい言い返しそうになっちゃった…)
そして直美は言葉を続ける。
「それを言うなら私の母だって日本人よ」
「どうりでいけ好かない女だと思った
そこのお前も今、俺に何か言いたげだったよな」
『!』
私を指さしたレオンハルト。
…隣からグレースの視線を感じる。
「能天気にも程があるぜ」
『…それ、私の事?』
明らかに敵視されてる。
敵視と言うより軽蔑、みたいな…。
というかそんな事を言われるとは思ってなかったから、
もちろん怒りもあるけど
同時に恥ずかしさも込み上げてきた。
何よりグレースの見てる前だし。
「自分の能天気さに気付いて無かったのか?
だから日本人は…。特にお前なんか__」
「__レオンハルト」
「!」
その時突然、
グレースがレオンハルトの言葉を制止した。
…彼女からは聞いた事も無いような低い声で、
怒っているのは一目瞭然の事。
それを会話を聞いていた直美は更に怒ったように顔つきを変えて、レオンハルトに詰め寄るように一歩前に出る。
「今の言葉は撤回しなさい…人種差別よ。
それにあなた__」
とうとう言い争いが始まってしまうかに思われた時、
「あのさぁ、そろそろ時間じゃない?」
…というエドの声で我に返った私たち。
「!総員配置につけ!」
「…、」
『…!』
席に戻る時、グレースに一瞬頭を撫でられた。
やっぱり、グレースさっき
私のこと庇って…?
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時