親友の秘密を知ってしまった。

４５.2人の警察 ページ47

･






＿＿来たる翌日。




事前に知らされていた通り
この日2人の警察がやって来た。




白鳥警部
そして黒田管理官






メインルームの扉が開いてすぐ姿を現した彼らに
グレースが小さく鼻で笑ったような気がした。





ここは気にしないでおくのが吉。






『…あれ？』



「ん？どうしたの？」






物騒な面持ちをした管理官と警部の背後に
小さな男の子がいる。



こんな所になんで子どもが…？






「では、メインスタッフを紹介させてください」




『！』






牧野局長の言葉で我に返った。



局長が階段を降りてくると、
近くにいたグレースが立ち上がる。






「フランス出身のグレース」




「コンニチワ〜」





そう言ってにこやかに手を振るグレースはなんとも言えないくらいに可愛い。



なんと言うか、子どもに好かれそう。





「そして…」



『！水瀬Aです！』





元気ハツラツとした声で立ち上がると
直美や警部さんたちがクスクスと笑い出す。



…気合い入れ過ぎた。
ちょっと恥ずかしい。






それから順にメンバー達が紹介されてゆく中で

先程気になっていた男の子と目が合った。





「…」




ニコッ、と可愛らしい笑みを浮かべた男の子に
私も笑顔を返すけど


なんとなく、男の子の笑顔が少し
大人びているようにも感じた。





(ま、気のせいだよね)







「あの…
これは日本全国にある警察の防犯カメラですか？」




白鳥警部がモニターに映る映像を見上げながら
局長に声をかけた。






「ええ。これに今日、
ヨーロッパ中の防犯カメラが繋がれるんです。

今後は世界中のカメラが接続予定です」




「さすがインターポールの施設だ…」






白鳥警部は感心したようにじっと映像を見つめてる。




そんな場所にグレースは5年前…
大体20歳の頃から所属してるんだ。




私は21歳からだったけど

グレースはその時から既にベテランだった。





グレースを見ながらニヤけてしまう。




そんなとき、





「そうだ…！ここはインターポールだ
なのになんで日本の警察がいる！」




『またレオンハルトか…』






彼は警察を毛嫌いしている。

そしてここのトップが日本人だからって言う理由で
彼は多分、私のことも嫌ってる。





「フランクフルトで侵入事件があったからでしょ」


『朝局長が言ってたじゃん』





ケッ！と悪態をつくレオンハルト。

そんな彼にグレースは小さくため息をついた。





･

４６.差別→←４４.胸騒ぎ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す