４０.捨てるのはもったいないから ページ42
･
「これ…」
視線だけで彼の姿を追うと、
ピンガさんはグラスを手に取り、
それと私を交互に見ている。
「…人の酒を人のグラスで勝手に飲みやがって」
『へへっ…ありがとう』
「何も褒めてねぇよバカ」
あれ…まって、“人の酒”って言ったけどそれ
グレースのお酒じゃなかったっけ
ボーッとそんな事を考えている中、
まだお酒が残っているのに、ピンガさんがそれをシンクに持って行こうとしているのが視界に入って。
(もったいない…！)
『！待っ…』
「！」
この酔っ払い(自分)
咄嗟に立ち上がろうとしたせいで
足元がおぼつかず、体が後ろに＿＿
[ﾎﾞﾌｯ!]
「…オイ」
『！うわぁ…』
「あ”？」
綺麗な顔が近い。
間一髪、彼が受け止めてくれたたらしい。
片手にはしっかりグラスを持っていて
反対の腕で私の体を支えてる。
この距離感、この感じ。
『やっぱり、グレースみたい』
「…」
へへっ、と笑いかけると
「そーかよ」
と言って再びシンクへと向かおうとする彼。
『待って、それ飲む』
「…はぁ？いや、無理だろ」
『飲む』
「いや…」
『飲む！』
「･･･
はぁ、分かったよ」
何だかんだOKしてくれるとことかも
グレースそっくりなんだよね。
手渡されたグラスを落とさないように
しっかり両手で握りしめる。
「オイオイ…力入ってねぇじゃねーか」
ジトッとした目が突き刺さる。
その視線も、瞳の色もグレースそっくり。
『私の世界一大好きな人はね
グレースと…
もうひとりいるの』
「…は？」
…よし、飲むなら一思いに。
にひ、とピンガさんに向かって笑顔を向けたあと、
グイッとお酒を飲もうとした。
……のに。
「…、」
『わっ』
傾けていたグラスを手で抑えられてしまった。
…お酒が私の口の端から首を伝って零れていく。
『ひっ…冷た、』
胸の間を伝っていく感触に肩を震わせ
どうしたものかとピンガさんを見上げてみると、
…目が合った。
…な、なんだ？？
グラスを持つ私の手に彼の手を重ねられたまま、
それは顔あたりからみぞおち辺りまで下ろされていく。
「誰のことだ？」
『…えーっと、』
いけない、
頭がボーッとしてきた。
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました？！私はいったよ！続き見たくて待ち遠しい！ (9月7日 15時) (
レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね！続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……！！(´；ω；｀)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです（泣） (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!（泣） (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：缶コーヒー | 作成日時：2023年7月18日 20時
