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27.怪しい来客 ページ29







『グレースかも。私出てみる』




咄嗟にベッドから降りようとした時、





ダンッ!




私の顔面スレスレに
彼の手がベットに叩きつけられる。




『ヒョッ…』




私の情けない声が漏れてしまった。





「いいか?

お前は動くな」




『ひ、ひゃい……』






な、何だこの威圧感…。




布団を再び頭まで被せられ、
言われた通り大人しく布団に丸まっておく。





「グレースみてぇだから、俺はもう出ていく」



『……え、』





…もう行くの?



夕食前に会ったときも感じた
ちょっとの寂しさ。





この人は、グレースが来るまでの間

私が1人にならないように

一緒にいてくれたんだろうか。






「じゃな」




無表情で、
いつものようにぶっきらぼうな言い方のくせに


わしゃっと頭を撫でる力加減はとても優しい。



そんな雰囲気とは裏腹に
神妙な面持ちで扉へと向かっていく彼。





『ま、待って』




「!」






ベッドから飛び起き、彼の背中に走って追いつくと
彼の背中部分の服をギュッと握った。





「…まだ何か用か?」




何故かドアから遠ざけるように
私を部屋の隅に追いやった彼。





『ま、また会える?』




控えめに見上げると
彼はまた驚いたように私を見下ろしていて。





わぁ、やっぱりグレースみたい。


背の高さも顔も雰囲気も、全てが彼女のよう…






「どうせすぐ会える。

…だから早く寝ろ」



『グエッ』





肩を押され、その勢いでベッドに座らされるも

私がまだ寝ようとしていないことに気づいたのか




再度肩を押され、
押し倒される形でベッドに押し付けられた。






『な、なに…っ』





「あ?……っふ、

顔あっか」





『んな…!』






“色気付くんじゃねぇ”
と言いながら布団を被せられ





「グレースが待ってる」




そう言い残した彼はまたドアへと向かっていく。



…今度こそ行っちゃうのか。






にしてもグレースって、
あんな風に、乱暴な感じでドア叩くっけ…。






そして数秒後、聞こえてきたのは








グレースの声と


“山田くん”の声だった。










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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時

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