親友の秘密を知ってしまった。

２５.ふたりきり ページ27

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『山田くん、大丈夫かなー…』






あの後、グレースの部屋に戻ってきた私たち。



私は怒ったように去っていった山田くんの様子が
どうしても気になっていた。







すると、お風呂上がりのグレースの
いい香りが鼻を掠めて。




「そう気にしなくても大丈夫よ」





“私が守ってあげるわ”




そう言って私の頭を撫でるグレースの手に一瞬安心するも、私の胸のザワザワは収まらない。





「…、」






まさか、ここまで来たりして。


なんちって…




(ｿﾞﾜｯ)





『うっ…』





そんな事考えたら寒気もし始めた。



グレースってば、
そんな事言っておいて体は細っこいんだから…。


私が守ってあげないと。





「A、」




『え？』





突然名前を呼ばれ振り返ると、



グレースがベッドの上に座って微笑んでいた。







「貴方は、私の事だけを考えていればいいわ」




『……っへ』




「さ、お風呂入っておいで」




『･･･？？？』






いま、何と仰った？



理解できないまま、
背中を押され脱衣所へと押し込まれる。






『…頭が疲れた』





色々と面倒になった私は考えることを放棄して
とりあえず、ゆっくりお風呂で休むこと。





『グレースと同じシャンプーとか、ほんと幸せ』





そんなことを呟きながら。










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結局、1人でいる時間が怖くなった私は
ゆっくりしよう、なんて思っていたにも関わらず


あっという間にお風呂から上がってしまった。







『グレース、』






(……あれ)






「…よォ」




『ご、ご兄弟様ッ！？』






テレビの前のシングルソファーで
膝を組んで座るご兄弟様の姿があった。



しかも今は黒スーツ姿ではなく、
高そうな質のいいスウェット姿…





この距離からしてもう、いい香りがしそう。






「お前って、人をジロジロ見る癖があるよな
金取んぞ」



『すみませんでした』





前にも指摘された記憶がある。
つか物騒だな。





『あれ？グレースいないの？』



「居ねぇな」





…お？


つまり、今2人きりってこと？




この時間に2人で会ったことなんて無いし
変に意識し始めると止まらない。





『ど…どうしよ、』




「何が」







首に巻いたタオルで
赤くなってしまいそうな顔を隠す。


なにか適当な言い訳を考えないと。






「何してんだ」



『あー、いや』








まずい、


それさえも思い浮かばないんだが。








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