21.香水の持ち主 ページ23
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「…大したことねぇな」
『ふぁいッ』
「…?」
私の指を確認する彼と一瞬距離が縮まったせいで
変な返事をしてしまった。
何意識してんだ、私。
パシンッ
「!?」
グレースのご兄弟様だぞ、と
自分の両頬を叩いて気分を入れ直すと
驚いたように私を見てる彼。
『にしても、本当にグレースと雰囲気違うなぁ
似てるのに違うの…不思議』
「…、」
まじまじと顔を覗き込むと、
気まずそうに顔を逸らされる。
…こんなに見ちゃうとさすがに失礼か
するとそのとき。
『……ん、あれ』
「…どうした」
一瞬彼から香った香り。
「、オイ」
『あ、すみません』
控えめにスンスンと香りを嗅ぐ。(失礼)
『やっぱり…』
「は?」
グレースと同じ香水の香りがする
それと同時に別の香りも…
『…あの香水って、』
「…?」
私が指をさしたのは
隠すように置いてある男物の香水。
『あれは、貴方のですか?』
「……」
ニッ、と一瞬口角を上げた彼。
ホント…グレースみたいに笑うんだから
「どうだと思う?」
『嗅いだことないし、分かんないですけど…』
でも、気になる。
そんな私の視線を感じ取ったのか
彼はその香水に手を伸ばす。
そして…
[シュッ]
『ッ…!』
私の首目掛けてワンプッシュ
香水をつけられた。
「この後予定は?」
『グレースと食堂に…』
「ふぅん」
グイグイと私の首に香水を馴染ませる彼の手。
……恥ずかしくて目を逸らした、けど。
またすぐに彼の顔を見上げてみた。
『…』
…怪しく笑う彼に見惚れてしまう。
見れば見るほどグレースに近いものを感じるのだ。
…横顔なんてまんまグレースだし、
「…正解
その香水は俺のだ」
『…!やっぱり』
「…ふ」
目を輝かせて彼を見ると、
彼はまた面白そうに口角を上げる。
『でもどうしてグレースの香水も付けてるんですか?』
そう尋ねると一瞬驚いた顔をした彼。
「さぁ…なんでだろうな」
『わっ…』
頭をわしゃわしゃされ、彼は再びドアへと向かっていく。
もう行くのかな。
……ちょっと寂しいな、…なんて。
頭の撫で方もグレースと一緒
行動パターンも容姿も似ている2人
『…もしや双子?』
…そういや、なんで自分の香水を私につけたんだろう
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時