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16.深く関わるべきでない ページ18








「…、」




『あ…』






スッと気配が消え、思わず顔を上げると
グレースは冷たい笑みを浮かべながら私から離れた。





言い過ぎたかも、

なんて後悔しても遅い





「じゃあ…」







グレースは氷が入ったグラスを手に取ると

いつものあの透明なお酒を注いだ。





…静かな部屋にカランと音が響く。





「山田んとこに行ったら?」




『…え』





こちらに背を向けてお酒を飲み始めたグレース。





『な…なんで山田くんなの、』



「彼なら貴方を大事にしてくれる
秘密なんてしないし」






振り返り様にそう呟いたグレースは
目を細めて私を見る。




“秘密なんてしないし”という言葉は
皮肉みたいに強調された。






「知らない方が相手にとって良いこともある」





その相手ってつまり私の事?

何も知らない方が私にとって都合がいいの?



…何それ。






「私の秘密は
あなたの為でもある」




『…わけ、わかんない』






ちゃんと私の目を見て言ってよ







無言でベッドから降りた私は
急ぎ足でドアへと向かっていく。



消灯時間の22時はとうに過ぎてるけど
不思議と怖くはなかった。










(…あ、スマホ忘れた)



















「…」





彼女が去った後、
暗い部屋でパソコン画面に向き合う影がひとつ。






---これを機に
彼女が自分から離れてくれればとも思った。





(どこに居ても組織の目を気にしなければならない)






彼は2杯目の酒を喉に通しながら、
ハッキングした防犯カメラ映像を見ていた。





_そこに映っているのはAの姿。





「アイツ何してんだ」



(どこ向かってる…?)




山田のとこには行かねぇのか、と思いつつ観察を続ける。


Aは突然立ち止まったかと思いきやキョロキョロし始めて、結局来た道を戻っている様子。





「4年も通ってる道、普通迷うか?」




暗い廊下を1人で通ったことねぇからなんだろうが…と、口元を緩めて画面を見つめる。


隣にはいつもグレースがいたから。





(…仕方ねぇな)






彼はグラスが空になったところで
部屋を出ようとした。



その際、ベッドの上にスマホが置いてあるのに気付く。





何となくその画面に触れるとロック画面が表示され

そこにはグレースとAのツーショット画像が表示されている。






「………くだんねぇ」






あんな宇宙人、
どーでもいいのにな









無意識に口角が上がっていた。





17.夜道のお迎え→←15.謝りたいのに



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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時

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