親友の秘密を知ってしまった。

１３.心のモヤ ページ15

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『あー…』



仕事に集中できない。





…その理由はというと、




「疲れちゃった？A」



『…ううん、大丈夫…』





心配そうに私を見つめているグレースにある。





＿＿今朝、彼女の部屋を出るとき偶然に
[女物]の香水と[男物]の香水を目にしてしまったのだ。



しかも、2つとも同じブランド。




ただ好きで揃えてるだけなのかもしれないと思ったけど


[男物]の香水の方は隠すように
わざわざ布がかけられていた。




でも普段、グレースから香るのは
[女物]の香水の香りだけで…






[男物]の香水は普段、誰がつけてるの？

……なんて聞ける気がしない。




兄弟のあの男の人かな。






「ねぇA、
どうしてそんな顔をしてるの？」



『っ！』



「体調悪い？」






机に寝そべる私の顔をグレースが覗き込んでくる。




ほんと…この顔が好き。
この顔を見てるだけで悩み事も吹っ飛びそう。






「今日、小綺麗にしてるのね

…山田に会うから？」




『え？』





スッと私の左頬を撫でたグレース。



昨日からなんか…
すごく色っぽい視線を向けてくるって言うか



ただ私が意識してるだけなのかな。







(意識ってなんだ私)






「あら
顔が赤いわよ」



『なっ、なんでもないっ…！』





フイッと反対方向を向き、
グレースから視線を逸らした。






「こっちを見てよ…A」



『…、』





私がグレースに弱いことを知ってて
グレースはそんな風に私の名前を呼ぶんだ。





彼女は多分今、私を心配してる。


だからって正直に香水の話なんてできない…。




なんとかして誤魔化さないと。




『今日ね、午前中に山田くんのとこに行ってきたの』



「山田…？へぇ、」





薄ら浮かべられたグレースの笑みに
一瞬 悪寒を感じるも、私はそのまま話を続けた。




嘘じゃない、本当の話だから大丈夫。





『そしたら同じフロアに
昨日の3人組の女達がいて』



「！…また何かしてきたの？」



『あっ、ううん！違う違う、逆で
私を見るなり顔を真っ青にさせて逃げてっちゃった』





おかしいよね、と笑う。



昨日グレースが何か言ったのかな…？
と思って聞いてみたんだけど、


この様子だと多分違うみたい(？)






「そう、それならよかった」



『うん
…』






上手く誤魔化せたみたいでよかったけど


それでもやっぱり、心のモヤモヤは取れなかった。


















「…何だよ
その顔」





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