親友の秘密を知ってしまった。

１１.片割れ ページ13

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彼氏じゃないって…？


思い返すと、彼女はあの男の人のことを一言も「彼氏」とは言ってなかったかもしれない。




じゃああの人は一体、



『だれなの？』





グレースとは親しい間柄に見えた。



『もしかして
両片思い…的な？』



「！はは…面白いことを言うのね
これでも気付かないなんて」






大人っぽい雰囲気を漂わせながら
ベッドの端に手を付いて座るグレース。


…ギッ、と音を立てた。





「本当に私が隣で寝ていいの？」




どうしてそんな事を聞いてくるんだろう。
自分のベッドなんだし、気にしないでいいのに





『グレースの部屋なんだから
好きにしていいんだよ』



口角を上げた彼女に違和感を感じながらも、私は笑って頷いた。





「好きにして… …ね」



『…っ？』




笑顔を浮かべたまま、静かに私を見つめるグレース。





『ど、どうしたの？』



「…んー…」




なんで私を見つめるんだろう。

グレースも寝そべったらいいのに





『…それで、あの男の人はだれ？

グレースの好きな人？』



「…気になる？」




私、それを確かめてどうしたいんだろう


もう会うことは無いかもしれないけど
“恋人じゃない”と聞いた途端、無性に気になり始めた。






「そうね…

“片割れ”とでも言っておこうかしら？」




『か、片割れ!?』



「最後のヒントよ」





それってつまり
グレースに兄弟がいたってことだよね？




『兄弟かぁ』



「…えっ」



『あんなかっこいい人が兄弟にいたら
私なら恋人作れなくなっちゃうよ

他にいい人なんて見つからない気がする』



「…ふふ

嬉しい事言ってくれるのね
鈍感A」





なんで鈍感呼ばわりされたのかは分かんないけど
グレースに兄弟が居た事が知れたのは大きな収穫。


また仲が深まった気がする。




『あんな綺麗な人見かけたら
絶対覚えてるんだけどなぁ』


「…」



ちょっと派手めだったし。
絶対どこかですれ違ったりするはずなんだけど





『…ん？グレース？
何してんの？』



「襲おうか迷ってる」





グレースは両手を私の顔の横につける形で
私を上から見下ろしてくる。




『…！
もう、グレース…酔っ払ってるの？早く寝よ。』



「…チッ」



『(し、舌打ち!?)』






酔っ払ってるかどうかは分かんないけど

いつもと違う様子に戸惑いつつ、
彼女を布団に引きずり込んだ。





(おやすみ、グレース)













「……

やられた」





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