10.彼氏じゃない ページ12
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気が付くと、時刻は0時を回っていた。
「もう寝る?」
『んー…明日も仕事だし
寝よっかな』
「OK」
そう言うとグレースは私をベッドに寝かせ、
その足でソファーへと向かっていく…。
…え?一緒に寝ないの?()
実は今日、グレースとの添い寝を楽しみにしていた。
変態っぽくてグレースにはそんな事言えないけど。
『グレースはまだ寝ないの?』
「私はまだ少し起きてるわ」
カラン、と音がして顔を上げると
グレースは丸氷が入った空のグラスに
何かを注ぎ入れようとしている。
『それなぁに?』
「…ウイスキーよ」
『へぇ…』
グレースってば、なんかオシャレ。
ウイスキーなんて飲めるのか…
私なんてウイスキーはもちろん
薄めのリキュールでさえ飲めない。
すぐにべろんべろんになっちゃうから
『ね、グレース』
「ん?」
『私明日頑張るからね』
「…」
少し前にグレースと話していたのは“山田くん”の事。
明日の仕事定時終わりに呼び出されていて
まずそのお返事をしなきゃいけない。
これ逃したらいい人なんて二度と現れない気がする…
だから明日は気合い入れてかなきゃ。
『てことで今夜は一緒に寝よう』
「オイ……ゴホンッッ」
(…ん?)
グレース、今何か言いかけたような。
『寝る時は絶対こっちに来てね
半分空けとくから』
シンプルなシングルベッドで、男ならまだしも、女性二人であれば特に問題ないだろう。
十分に寝られるスペースがある。
「でも、」
『やだ』
「…、
分かったわ」
グレースって…
スッピンでも綺麗なんだな
その笑顔にまた見惚れてしまう。
あれ
よく見るとグレース
ロックで飲んでる…?
うわ、カッコいい。
美人でカッコいいの、ホントずるい。
またもやグレースに見惚れていると
「どうしたの?」
と、私の視線に気付いた彼女が言った。
『グレース大好き
かっこいい
可愛い』
「…、
あら、ありがと」
『私が男ならすぐに求婚してる』
「・・、」
すると、コトリとグラスを置いたグレースは
洗面所に向かったあと、またすぐに戻ってきた。
…ミントの香りがする。
歯を磨いてきたのかな
「ねぇ、A」
『ん?』
「あの男のことなんだけど」
「あの人は私の“彼氏”じゃないわ」
『……え』
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ルビー - 缶コーヒーさん昨日のコナン試写会いきました?!私はいったよ!続き見たくて待ち遠しい! (9月7日 15時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな - 缶コーヒーさんみんなにコメント返してくれているなんてすごい優しいですね!続編おめでとうございます🎉 (8月15日 18時) (レス) id: b9819e7b60 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー(プロフ) - 甘味さん» そ、そんなにっ……!!(´;ω;`)ありがたきお言葉です、、、更新頑張れますありがとうございます:( ;´꒳`;): (8月15日 17時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 缶コーヒーさんが作品を作ってくれて良かったです(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - 一日の癒やしすぎます!(泣) (8月15日 17時) (レス) id: 3db5f1fed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月18日 20時