５５.脱出 ページ7
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「それで……？」
「…ッ、ピンガ…！
テメェ、しっかり確認しておけよ」
ピンガさんはウォッカさんに目を移す。
「ウォッカお前……」
少し笑いながらも、
その額には青筋が浮かんでいて。
…彼の鋭い眼光がウォッカさんを射抜く。
「重要人だから手ェ出すなって言ってあったよな」
「この女の着信音が鳴ったんだよ…！
テメェこそ持ち物はちゃんと確認しておくべきだったろ、ピンガ…」
あ…
ピンガさん、私が殴られた事に気付いたんだ。
相変わらずの洞察力…
「それにこっちの女さえいれば十分なんだろ？
コイツは目撃者なだけで…
とっとと殺しちまおうぜ」
(…え。)
彼らから視線を逸らし、床を見つめる。
殺すって。
ピンガさん、殺しとか
そういう事にも関わってるの…？
「…いや
こいつは俺が預かる」
『！』
間を空けて
静かに、感情を押し殺したように
そう呟いたピンガさん。
「なんだよピンガ
やけにその女に目ェかけるじゃねぇか
気に入ったのか？」
「…」
ピタッと動きを止めるピンガさん。
…このままだと、私のせいでピンガさんまでもが
身内から怪しまれてしまうかもしれない
「今から持ち帰ろうってか？」
「……、フン
こんなちんちくりんに勃つかよ」
『』
ショックを受ける私と顔を青ざめさせた直美。
直美安心して…この人いい人だから…
なんて、言えやしないけど
にしても、今のはショックだったかも。
だって、私が彼に抱いてるこの感情は…
「行くぞ」
『ッ…！』
手を強引に引っ張られ、慌てて立ち上がった。
私の手に巻き付けられているロープを掴んで
彼は大股で部屋を後にする。
「…」
『…、』
無言のままの彼の背中を見つめながら
転ばないように必死に足を動かす。
「今からここを出る」
『…！』
それからしばらくして、
人気が無くなった場所で伝えられた言葉。
『どうやって…』
「付いて来ればわかる…ブイに辿り着いたらしばらくはグレースの部屋に居てもらうからな」
…妙に落ち着いた声だった。
いつも落ち着いてるけど、
今は何の感情もこもっていないような。
「アイツがここに来る前に
お前だけは…」
『…』
そんな落ち着いた声とは裏腹に
その表情は苦しそうに歪められていた。
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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (5月7日 22時) (
レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした！！更新待ってます！ (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです！更新待ってます！ (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……！！この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください！ (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています！大好きな作品なので待ってます！ (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：缶コーヒー | 作成日時：2023年8月15日 17時
