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54.救世主 ページ6









彼が去ってから数分後。



まだ目覚めない女の子の傍で、
じっと大人しくしていた時の事だった。







[〜〜〜♪]




『!!』







携帯の電話が鳴り出した。





まずい。
音が大きすぎる。






慌てたところで動くことも出来ず。



恐らく外まで聞こえてしまっていただろうその音に反応したのか、[ガラッ!]と勢いよく扉が開かれた。







「おい……誰だ今のは。

ピンガが携帯を預かったって言ってたのに
まだ予備のものを隠し持ってたのか?」




『ッ……』






入って来たのは
外で待機していたであろうウォッカさん。






「お前か?」





その視線は直美に向けられた。





(違う…!)





『!直美じゃなくて私です!』



「!?A!」






身を乗り出して答えると、
ウォッカさんは私の元ヘずんずんと近付いてくる。






『ッ…』





ピンガさんほどではないけど
威圧感がすごい…



実はとんでもない組織に捕まってしまったんじゃないのかと思ってしまう。







「この…ッ」




『っ!!』



「A…!」





ゴンッ。






鈍い音と共に左頬がじわじわと熱くなった。
そして、グラグラ揺れる脳みそ。



…拳で殴られた。しかも全力で。





ベッドに倒れ込むと
私のポケットを漁り始める彼。





『やだ!触らないで!』



「あ!?テメェまだ懲りて…」



『このっおたんこなす!!!』



「…!?」






思いっきり叫ぶと、
ウォッカさんはビックリしたように後ずさる。






『私に触っていいのは
あの人とグレースだけだから…!』






ギッ!と睨めつけると呆気に取られたように
彼は口を開いて固まってしまった。




だけど、次第に殺気を含んだ雰囲気に変わる…。





どうしよう
怒らせちゃったかもしれない。





そんな彼を見て冷静になり
あわあわ焦っていると




「プクク…っ」



と、笑い声が聞こえてきて。





(誰…?)




未だに震える体を落ち着かせながら
笑い声の聞こえてきた部屋の外に目をやった。







「“あの人”とグレースだけねぇ…
そりゃ一体、誰のことだろうな」




『…!』







自然と口元が緩む。


それは安心からか、喜びからかなのか
どっちかは分からないけど。






我らが救世主(かは分からないけど)
ピンガさんが現れた。








「おたんこなすってなんだよ…ブフッ」




『……』








至って真剣に言ってるのに、
笑うのは酷いと思うけど…。






55.脱出→←53.敵か味方か



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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (5月7日 22時) (レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした!!更新待ってます! (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!更新待ってます! (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……!!この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください! (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています!大好きな作品なので待ってます! (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年8月15日 17時

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