５３.敵か味方か ページ5
･
「…ベルモットがやったのか？」
『っ？』
一瞬、ピンガさんの視線が鋭くなった気がした。
気のせい…？
「それとも金髪の男だったか？
日に焼けた感じの」
『…;;;』
気のせいじゃなかった。
目…目がなんか怖い。
『入れたのはベルモットさんです…』
「…ならいい」
元のスンッとした無表情に戻ると、
彼は何の躊躇もなく私の胸元に手を伸ばして来た。
そして、ベルモットさんとは違い
優しい力で胸元の服を開く。
『…っ』
…彼が手馴れてる事に少し、モヤッとした。
「ベルモットの奴…」
ぶつくさ言いながらだけど、
私の胸の間にあった携帯を取り出した彼。
「…パスコードは？」
『999999』
「(何だそれ)」
携帯の中身の確認かな…
というか、今更だけどピンガさん
もしかしてかなり危ない人…？
拉致犯の仲間なんだよね…。
今になって鼓動が激しく鳴り出す。
「…ん。これでいい」
『…？』
“これでいい”？
私の携帯をしばらく操作していたピンガさんは
携帯を私のポケットに戻してきた。
え、いいの？携帯預からなくて。
「…ふっ」
私の考えている事がバレバレだったのか、
鼻で軽く笑った彼が私の耳に口を近づけてきて。
「もうしばらくの辛抱だ」
…と小さく呟いた。
続けて、
「いざとなったら魚雷発射管から逃げられる。
ボタンは黄色だ…覚えとけ」
…なんて。
敵なのか味方なのか分かんない。
「俺の連絡先を登録しておいたから
何かあったら隙を見て連絡しろ」
『！あ、ありがとう…』
私とピンガさんの様子を怪訝そうに見ている直美。
これ以上コソコソしてたら怪しまれちゃう。
「いざとなりゃ俺が何とかするから
泣くんじゃねーぞ」
『…っ』
からかうように笑って私の頭に軽く手を乗せると
部屋を出て行ってしまった。
敵味方関係なく、彼の存在は
私にとって絶大な安心感があった。
……まだ彼の香りが残っていて、
何でかは分からないけど、それが私の胸を締め付けた。
「ねぇ…今の人知り合い？」
『…ううん。』
彼が連れてきた女の子の顔を見つめながら
直美の問いかけに首を振る。
多分、彼は悪い人。
素性を隠してた時点で薄々気付いてたけど
それでも彼の事を嫌いになるなんて無理だった。
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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (5月7日 22時) (
レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした！！更新待ってます！ (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです！更新待ってます！ (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……！！この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください！ (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています！大好きな作品なので待ってます！ (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：缶コーヒー | 作成日時：2023年8月15日 17時
