７９.奇跡 ページ31
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「…,おいベルモット
今の声、まさかテメェ」
「あら怖い」
この声は間違いなく彼の声だ。
ベルモットさんは腕を組みながら
私のことを見て笑っている。
まるで私の反応を楽しんでるみたいだ。
「…土産って何だ」
「もう分かってるくせに」
「……あ？」
まずい。
ピンガさんとベルモットさんがピリついてる。
そう思った私はずかずかと歩いて行き、
カーテンの近くに近寄った。
「…」
すると、中にいる人物が息を飲んだのが分かる。
『…ベルモットさん』
「いいわ
元々そのつもりで来たんだから」
ふいっと顔を背けると
“ごゆっくり”
と言って彼女は病室を出ていってしまった。
シンと静まったこの空間
…なんか気まずい。
「A」
『！』
カーテンの中から聞こえてきた
あの日と同じように私を呼ぶ声。
「お前、怪我は？」
『え、怪我？
別に怪我はしてない…』
「…ふぅん」
…そ、それだけ？
というか、こんな場所に入院してるくらいだし
私なんかよりピンガさんの方が怪我してるんじゃないの
顔を会わせられないこの状況にムカついて、
思わずカーテンを捲った。
[ｼｬｯ…！]
今の私、さっきのベルモットさんより乱暴かも。
なんて分かっていながらも
持っていたバッグも適当に放り投げる。
『……！』
「…よォ」
ベッドに座っていたのはやっぱりピンガさん。
あちこちに包帯を巻いていた。
…片目にも。
『その怪我…何があったの？』
「…大したことねぇが」
『あるでしょ…入院するくらいだもん
何なのその包帯！』
「…(怖、)」
グレース…いや
ピンガさんに対して初めて怒った。
対するピンガさんは
肩から吊り下げられた腕を見ながらため息をつく。
「潜水艦の爆発に巻き込まれた
運良く助かったみてぇだがな…」
『!?』
あの時、最後に水中で起きてた爆発のことかもしれない。
その後返信が途絶えたのも
そのせい…。
「お前がブイと一緒に沈んでなくて良かったぜ」
『…ッ』
嘘つきで隠したがり屋の彼のことだ。
それが本心かどうかはわからないけど
その言葉がジンと胸に染みてくる。
彼は生きていたのだ。
「泣くんじゃねーよ」
『い、痛い
もうちょい丁寧に拭いて…』
「うるせぇな」
強引なとこも変わってなかった。
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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (5月7日 22時) (
レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした！！更新待ってます！ (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです！更新待ってます！ (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……！！この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください！ (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています！大好きな作品なので待ってます！ (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：缶コーヒー | 作成日時：2023年8月15日 17時
