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76.3度目の顔合わせ ページ28










“それを伝えに来た”






「お姉さんにとっては、
きっと大事な人だったんだよね?」




『…ッ』






…今度は手まで震えてきた。


警察署ではちゃんと感情を抑えられてたのに






「お姉さんみたいな人…
僕、いつも近くで見てるから」




『私みたいな人…?』






コナンくんは目を伏せながら
誰かを思い出しているかのようにそう呟いた。






「今にも消えてしまいそうなお姉さんを
ほっとけなかったんだよ」









“_また会おうね”







そう言って背中を向けて歩き出したコナンくん。

本当にそれだけを伝えに来たらしかった。






私の事を警察にチクるなんてことも無く







『まるで大人みたいな子だな…』





「……そうねぇ」





『__ッ!?』










その時、突然背後から女の声がして


咄嗟に飛び退いた。







「あら、驚かせたかしら?」




『…な、な、』








なんとそこに立っていたのは






『べ、ベルモットさん…!?』






二度会った事のある
美人な外国人のあの人だった。




腕を組んで背中を電柱に預けるその姿も様になってる…







さすが美人だ。







(って、見惚れてる場合じゃない…!)







『あ、あの…!』




「…」




『ピンガさんは…』







私が何を言いたいのかを悟ったのか、

薄らと口角をあげてみせたベルモットさん。





仕草がいちいち美しい。







「知りたい?」




『もちろんです…』







私はポケットにあるピンガさんの携帯を握りしめる。



…あれからずっと
ピンガさんから音沙汰が無いのだ。







「どうして知りたいの?」




『どうして、って…

音沙汰ないから』




「…」






ベルモットさんは何も言わず、表情も変えず
じっと私を見つめてくるだけ。






「じゃあ、もし“死んだ”って言ったら
貴方はどうするのかしら」




『……、』







死んだ

だなんて。





そんな不謹慎なこと…



彼との思い出が多すぎて、大きすぎて
そんな事考えられない。






「…ついてきて」




『…!』







突然そう言い出したかと思いきや、


クルッと方向転換して
つかつかと角を曲がって歩いていってしまう。






「乗って」




『ば、バイク?』







ヘルメットを手渡されたけど






『乗り方分かんない…』



「普通に乗ればいいのよ」







私は一体、これから
どこに連れてかれようとしてるんだろう…。










77.彼の香りが→←75.少年の名前



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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (5月7日 22時) (レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした!!更新待ってます! (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!更新待ってます! (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……!!この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください! (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています!大好きな作品なので待ってます! (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年8月15日 17時

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