親友の秘密を知ってしまった。２

７５.少年の名前 ページ27

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「＿それでは、気を付けてお帰りください」





『ありがとうございました…』









あの事件から一夜明け、
事情聴取も無事に終わった。





グレースと一番仲が良かった私は
やっぱり注視されていたらしい。









『はぁ…』





何とか無事に終わったから良かったものの、

…もうあのパシフィック･ブイは無い。
消されてしまった。




声は未だにかかってるけど
グレースが居ない今、やる気も起きない…







かなりの喪失感を感じていた。




…そんな時のこと。






「お姉さん」




『…！』







とぼとぼと歩いていた時、突然声をかけられた。



＿警察署の門の外に立っていたその子
名前は確か…





『…コナンくん？』




「うん！」






スケボーを脇に抱え
ニッコリと微笑んでるのはコナンくん。




あちこちに絆創膏をつけてる…







『コナンくん、怪我は大丈夫？』





「あぁ…うん、大丈夫だよ」





『ならよかった』







顔を見合せて笑い合うけど、
この子のはまるで作り笑いみたいで

少し、何か引っかかる。






「ねぇお姉さん…」




『うん？』




「…グレースさんの正体、
知ってたよね？」




『！？』







驚きすぎて、思わずバッグを落としてしまった。





何、この子


ちょっと変わった子だなとは思ってたけど
どうしてそこまで分かるの…！？






「あの人が正体を現したとき、
お姉さん全然驚いてなかったから」




『…！』







今更怖くなった。


法律で確か、
犯人蔵匿等罪ってのがあったはず。




犯人を隠避する罪だ。






「そんなに怖がらないでよ
責めてないから」




『君は…何者なの、』







そういえば私より先にピンガさんの逃げた方向へ向かったのもこの子だったし






「僕は江戸川コナン
…探偵だよ」




『……。』






コナンくんの目つきも変わり、
ドキッとさせられる。



まるで大人のような色を帯びてる…。







「あとね、海に逃げた犯人の事なんだけど」




『！』






逃げた犯人…

ピンガさんしかいない。






「ある組織に所属してたらしいんだけど
その後、帰還せず消息を絶ったらしい」




『…………、なんでそれを私に

…というか、言ってもいいの？そんな事』






戸惑ってしまって声が震えた。

…いや、この震えは戸惑いから来るものじゃない…







「それを伝えに来たんだ」









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