６９．逃げて欲しいけど行かないで ページ21
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どうして逃げないの？
このままだと、これだけの警察相手に逃げきれない
捕まってしまう…
助けたいのに、足がすくんで動かない。
熱のせいか、頭もぼーっとしてくる。
「その時、
ユーロポールの職員に見つかったってワケか…」
『！』
グレースが海外に行ってくるって言って
すぐに帰ってきたあの日のことを思い出す。
牧野局長が深刻な顔で
職員が殺害された事を告知してたのもその後……
顔を上げると、ピンガさんは体の向きを変えながら
右耳につけたリングピアスを左耳に付け替え、
静かに口を開いた。
「帰ったはずだったんだが、間の悪い女だよな」
そう言う彼の声は冷静沈着。
まるで今の私とは大違い…
人を殺してもないのに、
なぜか私が犯人になったような気分に陥っていた。
「レオンハルトさんを殺害した動機は？」
「……予定外の拉致のせいでな。
防犯カメラ映像を改ざんする必要が出てきた」
え、割と素直に話してくれるんだ…。
そして、ゆらりと振り返ったピンガさんは
私を見るなり
「見られてはいけないものも見られたしな」
と言って薄らと笑う。
「映像は仮で処理した後、
完全に痕跡を消そうとしたんだが
あのガキが追求したおかげでレオンハルトが痕跡に勘づきやがったんだ」
あのガキ…って、コナン君のことかな。
チラッと入口前にしゃがむ少年に目を向けた私。
そこらの子供とはやけに雰囲気の違う少年だ。
「だが、改ざんした記録は消した。
俺がやった証拠は無い
あとはレオンハルトさえ消せば
万事上手くいくはずだったんだがな…」
『！』
そう言うと、彼はスッと右手の袖から落としたスマホを
ノールックで素早く操作したのを見た。
＿＿次の瞬間、
「…、」
『！待っ…!!』
私を見て口角を上げた後、
突然走り出したかと思いきや
彼はそのまま階段を駆け上がり、
最上部にある出入口へと向かう。
追いかけようにも体が重くて、
何よりだるい…。
「逃すな！！」
黒田管理官が叫ぶと同時に
3人の警官が走り出した。
『待ってグレース……ッ』
やっとの事で絞り出した声も
彼は聞こえているはずなのに止まってくれない。
ピンガさん
…グレース
ここから居なくなるの？
それなら私、これからどうしたらいいんだろう
まず、そう考えてしまった。
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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (5月7日 22時) (
レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした！！更新待ってます！ (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです！更新待ってます！ (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……！！この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください！ (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています！大好きな作品なので待ってます！ (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：缶コーヒー | 作成日時：2023年8月15日 17時
