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51.再会と新たな拉致被害者 ページ3








体感でだけど
あれから何時間も経ったような気がする。


直美もその間に目が覚めて、
今では私と2人で状況を確認し合っていた。





私のスマホゲームは
夜の決まった時間に通知を鳴らす。


__それは大体23時頃。




だから今の時間は大体把握できる。




そんな夜更けに
部屋の外からある音が響いてきた。


…足音だ。





『!直美、誰か来る』




「え、えぇ……」






コツコツと音を立てて近付いてくる気配に
自然に体を強ばらせる直美と私。


この音だと人数は2人
そして、足音の強さからしてこれはきっと男だ。







…夕方に会った拉致犯の女の人は穏やかだったけど
今向かって来てる人達は果たしてどうだろう…。







[_ガラッ!]







力強く扉が開かれ、


恐る恐る見上げてみると






『…………え。』






嗅ぎ慣れた、男物のこの香水の香り。





そこにはなんと、見慣れたあの人の姿があった。

サングラスをしてるけど間違いない…






『ピ……』





ピンガさん。






私は咄嗟に、助けに来てくれたの?と
口にしようとしたけど


彼の腕には誰かが俵担ぎにされていて。





恐らく小学生くらいの女の子。







その光景にギョッとして
更に口を開こうとした私だったけど


彼は人差し指を自身の口元に持っていき
“シー…”と私に合図してきた。






「黙ってろ」とでも言いたげに。







「目ェ覚めたか」




そう言って彼の後に続けて入ってきたのは、

ピンガさんと同様、サングラスと
黒いスーツを着用した小太りの男だった。






「お前、ベルモットから携帯返されたんだろ?」





ピンガさんが私の座ってるベッドに
担いでいた女の子を寝かせている間、


彼の隣にいる小太りの男が私にそう尋ねてきた。







『ベルモット…?』




「女が来ただろ、夕方」




『…!』







名前を聞いてやっと思い出した。


聞き覚えのある声と名前…ベルモット。




ピンガさんが最近電話で会話していた人だ。






(あの人がベルモットさんだったんだ…)







綺麗な人だったな、と思い出していると







[ダンッ!]





『ッ…!』





__小太りの男が足で壁を蹴ったらしい。





「答えろ」




……この威圧感。




一方ピンガさんはそんな彼の事を後ろから睨んでいて。

そっちも威圧感やばい。
え?仲間だよね…?((







『…返されました』





恐怖で震えながらも、ハッキリと答えた。









52.携帯の在り処→←50.拘束



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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (5月7日 22時) (レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした!!更新待ってます! (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!更新待ってます! (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……!!この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください! (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています!大好きな作品なので待ってます! (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年8月15日 17時

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