親友の秘密を知ってしまった。２

６４.嫌な予感 ページ16

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携帯でその住所を検索しマップを眺めていた頃


そうしているうちに時間が経っていたのか、
グレ……ピンガさんが戻ってきた。




にしても随分と早い戻りだな…





『お、おかえり…』




「あぁ」






部屋に入るなり清掃員の服を脱ぎ捨て始めるピンガさん。



慌てて彼から視線を逸らした私は
携帯の画面に集中した。






「何見てんだ？」



『マップ』



「……ふぅん？」






着替え終わったであろうピンガさんは


部屋に置いてあるパソコンを弄りながら、
スマホを耳に当てた。





(電話…？)





誰かに電話をかけているようだった。





「…キールか」



『…？』





き、きーる？？


盗み聞きは悪いと思うけど……彼も聞かれちゃまずいとは思ってないからここで電話しるんだろうし



遠慮なく盗み聞きすることにしよう。






「一人始末した
…ウォッカにも伝えとけ」




『』




＿＿普通に聞かれちゃまずい話やん。






始末ってあれだよね？
殺……





「…フン」



怯える私を見て一瞬鼻で笑うと
そのまま通話を切った彼。


よく見るとパソコンに映っているのは
食堂の映像…？






「そろそろ戻る」



『…！う、うん』





ウィッグを被り、メガネとスカーフをつけて
部屋を出ようとするピンガさん。






……だったが、突然その足を止めた彼。






『…ピンガさん？』




「じゃな」




『………？』







少し振り返り柔らかく笑ったあと、

彼は部屋を出ていってしまった。






『…。』







携帯に保存された連絡先といい、住所といい
今の挨拶もなんで今更。

…胸騒ぎがする。







嫌な予感がして彼がさっきまで使っていたパソコンを
勝手に開いた私。



…眠いのは我慢だ。






海中をあれだけ泳げば疲れるに決まってる。

なのにピンガさん、全然何ともない様子で
仕事に行っちゃうんだもん



なんならレオンハルト押し倒してたし







『(ピンガさん…)』



机に寝そべりながらパソコンを操作する。






画面に映し出されているのは
メインルームのカメラ映像。


このリンク先が大事に管理されているようだったから
気になって開いてみれば……





しかもリアルタイムの映像なのか、
みんなが映っていた。











『ピンガさん、一体何者…？』








睡魔に負け、そのまま目は閉じられてゆき
次に目が覚めたのはその日の夕方頃だった。











＿嫌な予感は的中する事になる。




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