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60.首のアザ ページ12








『・・・』




_聞こえてきた微かな物音に目が覚めた。





何故か目覚めは良かった。
あんなに夜更かししてたのに


さすがはピンガさん&グレース効果かな?







「おはよ」




『…!』






顔を横にずらすと、ソファーに座り
首にスカーフを巻いているピン…グレースと目が合った。







『仕事に行くの?』




もうそんな時間?と時計を確認してみると
出社時間が迫っていて。





「貴方はこの部屋にいてね」



髪を手で払ってそう言うグレースの表情は
普段となんら変わりない。




…とその時、




「痛っ…」



『!?ど、どうしたの』





突然右手で首を抑え、俯いたグレース。




首!?首が痛いの…!?





ベッドから降りた私は
慌ててグレースの元に駆け寄った。





『これアザ…?
私寝相悪すぎて殴っちゃった…?』




「大したことないわ
…寝相も問題ない

昨日、ちょっとやらかしてね…」






スカーフの隙間から見えたのは
グレースの首に広範囲に広がったアザだった。






『…!一体何をやらかしたらそんな事になるの…?』




「……誘拐♡」




『・・・』







そんな可愛く言ったって
物騒な事実は打ち消せてないよグレース…。




つまり、誘拐したときに出来た怪我って事か。


あの小柄な女の子にしてやられるピンガさんじゃ無いだろうし…一体誰?





「ゴホンッ…と、とにかく。
誰か尋ねてきたら隠れること。わかった?」





指を立てるグレースに頷くと、




「…あ、それから。」



『…?』






彼女は何かを思い出したかのように
ゴソゴソとポケットから何かを取り出して

それを私に差し出してきた。






『…?黒い、スマホ?』




しかも、何度か見た事があるやつ。





「私の2つ目のケータイ、貴方が預かってて。
パスワードは無いからいつでも使えるわ」



『…?』







(なんで私に…?)





その場でスマホのロックを解除すると
まず保存されていたのは2つのアプリ。






『“メモ”と“ショートメッセージ”のアプリしかないけど…?』




「…」






ニィ、とどこか懐かしい笑みを浮かべたグレースは
私の頭を優しく撫でる。





『っ?グレース…?』




「それじゃ行ってくるわね
いい子にしてて」






そして、チュッと私のおでこにキスをした。









『……!?!』









結局、2つのアプリの意味は
教えてくれないままだった。









「(顔あっか…)」







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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (5月7日 22時) (レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした!!更新待ってます! (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!更新待ってます! (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……!!この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください! (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています!大好きな作品なので待ってます! (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年8月15日 17時

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