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59.最後の寝顔 ページ11







彼が何を思ってそんな事を聞いてくるのかは
私には分からない。




普段から感情の読めない彼のことだ。







『そりゃもちろん戸惑った、けど…』





チラッと見上げると、


ピンガさんは頬杖をつくのはやめて
ただ真剣に私の顔を見てる。



…まぁ、あの表情、楽しそうにも見えるけど。





『大好きな人は世界にただ1人だけで良かったなって』




「……!」






心底驚いたようなその反応。


私が何を答えると予想してたんだろう。









『ねぇ…それよりまだ寝ないの?
今までみたいに、一緒にさ』




「……、…

今はやめとく…」





『なんでぇ』





「うるせえな、早く寝ろクソガキが」






いや、歳1年しか変わんないじゃんか。







一緒に寝てくれない理由はわかんないままだったけど







『とにかく、ピンガさんの秘密を全部暴けて
ちょっと優越感』




「……フン」




『てことで一緒に寝よう』




「俺がお前に何してもいならいいぜ」




『それじゃあおやすみ!先に寝るね!』




「(扱いやす…)」









それから、私が寝付くまで
彼はずっとそばに居てくれた。








それは多分、


私が1人になるのを恐れていることに気付いた
彼なりの気遣いだったんだろう。































Aが寝付いた一番暗い時刻……夜明け前の事。








_“私、ピンガさんの秘密いっぱい抱えちゃったね”








「ふっ…」



「…じゃあ、この秘密には気付けるかな」









深く眠りにつく彼女の額に
唇を寄せる影がひとつ。








静寂な部屋に、
切なげに小さなリップ音が響いた。









彼が密かに抱えた感情





初めて芽生えたそれ(・・)








彼女が全部暴いたと思い込んでいる彼の秘密は


まだ残っていた。






それも一番重要な

















__“大好きな人は世界にただ1人だけで良かった”










「いつも俺の邪魔、しやがって
…この宇宙人」











(何もかも、最後まで思い通りにならない)










そのもどかしさに悩まされながらも



Aの寝顔を静かに見つめていた。










60.首のアザ→←58.お話しよう



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哀愁(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (5月7日 22時) (レス) @page33 id: 4b362b9d0f (このIDを非表示/違反報告)
MEIKA(プロフ) - 一気に読み終わるくらい素敵な作品でドキドキが止まりませんでした!!更新待ってます! (4月22日 5時) (レス) @page33 id: 1bb6835bc2 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!更新待ってます! (2月24日 18時) (レス) @page33 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - 更新楽しみにしてます……!!この作品ばり好きすぎてほんとに一生リピってます( ߹ㅁ߹)頑張ってください! (1月14日 23時) (レス) @page33 id: 76976485fa (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - 更新楽しみにしています!大好きな作品なので待ってます! (12月5日 22時) (レス) id: 0fab079a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年8月15日 17時

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