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二十三話 ページ24

『間もなく、電車が参ります、黄色い線の内側に…』

相変わらずAは爆睡中で一向に起きる気配がない。
事務所からずっと抱っこしてきたせいか駅についた頃には腕が少し痺れていた。

はぁ、仕事疲れた…
乱数に会う為に渋谷に行ったのにまさかあのタイミングで依頼が入るとは…

依頼内容は倉庫の備品整理。
人手が足りないとかで急遽呼ばれ、思ったよりも時間がかかってしまった。

それにしてもあの雇主…なんか少し様子がおかしかったな…ちらちら時計を確認しては「まだ早いよね…」みたい事をぶつぶつ呟いてたし。

いったいなんだったんだ?

「お…」

珍しいな、この時間は大体いつも混んでるのに…そこまで多くない。

扉から近い座席にAを抱える感じて腰を下ろし
一息ついた時、何故か隣に座っていた女の人が口を開いた。

可愛い子ね、と。

「え、」

俺に話し掛けてきたのか?
それとも独り言…?いや、でも視線感じるし。

チラッとその人を横目で見ると視線の先はAを見ていた。

他の車両に行った方がいいかな…。
なんか嫌な感じがするんだよな、この人

「ねぇ」

「は、はい?なんすか?」

おぉ、まさかの俺にまで声を掛けてくるとは…

「その子…貴方のお子さんかしら?」

「…いえ、知り合いの子で」

「そうですか、ふふ…あら?その髪…貴方が結んだの?」

「え?」

あ…ほんとだ、髪結んでたのか。
沢山遊んだせいか少し髪の毛が乱れてるけどまぁ、可愛いからいっか。

「器用なのね、」.

「あ、これは俺がやったわけじゃ…」

って言うか、この人さっきからめっちゃ話し掛けてくるな。

いったいなんなんだ?

「まさかこんな形で会えるなんて思いもしなかったわ。と、言ってもまだ会うには少し早過ぎたかしら?」

「は?なんの事っすか?」

「いいえ、貴方には関係ない話よね。」

『間もなく、池袋…』

アナウンスが入り暫くして電車が止まる。

「じゃ、俺達はこれで」

早くその場を去りたかった俺は軽く頭を下げ立ち上がろうした時、

「あら、この駅で降りちゃうの?…お嬢ちゃん。またね」

女の手が眠っているAの頭に手が伸びてきた。

触るなっ!!


電車の扉が開いたと同時に俺は逃げるように電車から飛び降り安心したのか溜息が出た。

「なんだったんだ…さっきの人」

間一髪。

あと少し遅ければあの女にAの綺麗な髪を触られていた。

何故が分からないが、あの女は危険だ。

そう感が告げていた、、、

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雪乃(プロフ) - 続き待ってます (10月8日 23時) (レス) @page40 id: 3057047a96 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - 讃良さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!コロナに負けずお互い頑張りましょう!!これからもよろしくお願いします! (2020年8月4日 1時) (レス) id: 2f0ef64b32 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - とても面白く、ずっと頬の筋肉が緩みっぱなしでした。続きをお待ちしております!体にだけは気をつけて…! (2020年8月2日 11時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ワロタwwさん» コメントありがとございます!のれからもよろしくお願いします!! (2020年7月21日 21時) (レス) id: 2f0ef64b32 (このIDを非表示/違反報告)
ワロタww - すごい展開にコメしたくて仕方なくなってしまったwwww初コメここに通ります。面白くて好きです(^-^) (2020年7月12日 22時) (レス) id: 1c977d7f9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うさこ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年5月6日 22時

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