13『少女は空高く浮遊する』 ページ5
魔神オセル。魔神戦争の最中、帝君との戦いに敗れ孤雲閣の下に封印された。
その封印を「公子」が破ったらしい。波は荒れ、空気が淀み、人々の不安や混乱が私へ伝わってくる。仙人の気が集まっているのは「群玉閣」、空を見上げ目を閉じ息を大きく吐き出すと、体を浮遊感が襲った。
目を開けると空高く、真下には群玉閣がある。無事に
ふわふわと不安定な体をなんとか支えて下を眺める。
「帰終機と、あれは…妨害するファデュイの人たくさんと…それから空、あそこに魈——」
どこに誰が居るのかをなんとなく把握して、私は昔使っていた槍を手に魔神オセルへ視線を向ける。
ほんの少しでも時間が稼げればそれでいい、話す時間さえあれば。雷元素を纏わせた槍を勢い任せに飛ばし、続け様に今の私に合う槍を手にファデュイがまとまっているところへ一直線に落ちて行くと、雷で感電を起こし彼らの動きが鈍くなった。
丁度オセルに槍が届いたのも確認して空の方へ駆け出す。
「空!」
「うわっ!え、A!?」
近くのファデュイの人を全て薙ぎ払ってから空に思い切り抱きつく。すぐに離れると、当たり前のように困惑した顔をされてしまった。
「うん、うん…みんなの力を……では私もあなたに加護を。」
「!…体が、軽い。」
「これで長い時間動けるようになる。…でもやっぱり負担が大きいね、持ちそう?」
「絶対持たせる。」
しっかりと頷いた空に加勢することを伝えると大分不安そうな顔をされた。調子が良く無いことはとっくに気付かれているみたいだけど…だけど、ここで立ち止まるわけにはいかない。
「私には、あなたたちを守る義務がある。」
私を助けてくれた、旅の道中なにもできない私を守ってくれた。今度は、私があなたを守る番。
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匿名 - 感動できる物語を読まさせていただきありがとうございます!!これからも応援しています! (2022年6月14日 21時) (レス) @page15 id: e82571c646 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 続編おめでとうございます!最初から読ませて頂きました!更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月3日 22時) (レス) @page4 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりふき | 作成日時:2022年6月1日 19時