第2話 ページ3
Aside
放課後。私は校舎内を走り回る。探し人は教室にいなくて、そのせいで私はこんな羽目にあっていて。
屋上に続く扉を思い切り開けると、同じ髪色が風に吹かれていた。
「お兄ちゃーん!」
「ん?ああ、Aっスか。どうした?」
「もう、お兄ちゃんがテツヤくんに会いに行くって言ったんだよ」
「そうだったっス。カバンは教室?」
「うん、少しでもお兄ちゃん独り占めするの」
「いつも一緒じゃないっスか。まぁ、こんな可愛いこと言ってくれる妹でよかったっス」
お兄ちゃんは私の頭を撫でる。それからニコッと笑って手を引いてくれる。小さい頃から変わらない、この手はお兄ちゃんが絶対に繋いでくれる。
「黒子っち元気っスかね〜?」
「元気じゃないかなぁ。練習試合楽しみだね、お兄ちゃん」
「そうっスね。ほら、見に行くっスよ」
周りの目が少し刺さる。当然だ、お兄ちゃんは人気モデルで、キセキの世代で。
それでもなにも言われないのは、2人で自己紹介の時にブラウン・シスコンをカミングアウトしてるから?気にしないで手を繋いで歩くから?
そんなのどっちでもいい、私は変わらないままお兄ちゃんと歩けるなら。それだけでいい。
と、いうわけで!
テツヤくんに会いに誠凛へしゅっぱーつ!
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作者名:ちくぜんに | 作成日時:2019年10月9日 21時