お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.008 ページ9

▼Ichigo side





さっきは樫野とかいう超イラつくやつと会ってしまったけれど、花房くんのバラの飴細工に安藤くんの抹茶キャラメルであたしの気分はとてもハッピーな状態を保っていた。

それに、最も嬉しかったことはもう一度Aちゃんに出会えた事だった。

今日やっと、この前アンリ先生が言っている意味が分かった。Aちゃんも聖マリー学園の生徒だから、あたしが転校してくれば必然的に会うことが出来たって訳ね！！



「でも、本当に凄いね。中学生であんな綺麗なチョコレート細工や抹茶キャラメルが作れるなんて」
『まあ、そうかもね。だって聖マリー学園はパティシエやパティシエールを育成する学園だもの。いちごちゃんだってそうなる事を望んでこの学園へ来たんでしょ？

私達もそれは同じ。

1年生の頃から勉強とスイーツ作りの勉強をしてきたの。それに、クラスの成績順でグループが構成されているんだよ』



ずっと笑顔だったAちゃんが急に真剣な顔をして話してくれた。



「す、凄い...」
『あ、そうだ。私ね、転校生の人が来たら渡そうと思ってさっきの実習で作ったものがあるの。はい、これ』




そう言ってあたしに渡してくれたのは可愛い袋に入ったスノーボール(ブール・ド・ネージュ)。見てわかるのが、プレーン、ココア、抹茶と様々な味の種類があることだ。



『朝仕上げたんだけど、時間が無くてこれくらいしか出来なくて...』
「ううん！作ってくれただけで嬉しいよ！ありがとうAちゃん。...ちなみに、あのチョコレート細工を作ったのってもしかしてあの樫野って人なの？」

『うん、そうだよ？』



当たり前のように「そうだよ？」て言うAちゃん。なんだか、この4人ってプロ顔負けじゃない。見た目も味も良いスイーツが作れるなんて。もしかしてもしかしなくても、この学園ってレベル高い？！




.

▼sweet.009→←▼sweet.007

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す