お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.004 ページ5

▼Your side






『いちごちゃん、見つかった？」
「見つからないよ。Aちゃんは？」



「私も...」と言おうとした時、後方から聞き覚えのある爽やかな声が聞こえてきた。



「私のケーキに何か？」



振り向くと、そこにはアンリ先生がいた。
スイーツフェスタにアンリ先生が作られたケーキが出されていたとは知らずにケーキを食べていた事に少しショックを受けた。

だけど、滅多に食べることが出来ないアンリ先生のスイーツを食べれたことに嬉しさも感じられる。

アンリ先生も聖マリー学園出身、だからケーキを食べた瞬間に食べたことがあると感じたのだろうか？



『アンリ先生！！』
「おや、A。聖マリーからわざわざこちらまでいらしたんですか？」
『えへへ、有名店のケーキを食べられると思うと、いても立ってもいられなくって...。！やばい、もうこんな時間。早く帰らないと樫野達に怒られちゃう！アンリ先生、急に来たのにすみません。私帰りますね』

『いちごちゃん、今日は話せて楽しかった。ありがとうね』



帰ってから樫野達とケーキ作りの練習の用事がある事を思い出した私は、アンリ先生といちごちゃんに断りを入れてすぐ帰ることにした。

全部食べ終えるはずのケーキ達も、いちごちゃんと喋りながら食べていたことによって全て消費することができず、結局は聖マリーに持ち帰ってクラスの女子と食べる事にした。

後々気づいたことだったが、あれだけ楽しく話していたはずのいちごちゃんと連絡先を交換していないことに気がついた。もう出会うことは無いと分かってはいても、なぜだかいちごちゃんにはまた会えそうな気がした。




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