お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.012 ページ13

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今日の実習で作るのは、ミルクレープ。クレープの間にカスタードクリームを塗り、何層にも重ねあげて作るのだ。一斉に作り始めようとするが、みんなはいちごちゃんをじっと見つめている。

アンリ先生が推薦するほどのいちごちゃんの技術力を見たいのだろう。そこは、私も気になっていた部分であったので同じようにいちごちゃんを見つめた。



「ああ！！卵が...勿体無い」
「そっちかよ」
『大丈夫、いちごちゃん。誰にだって失敗はあるよ』



多分、みんなに見られて緊張したのか、いちごちゃんは卵を1個潰してしまった。その後の彼女の言葉に、作業を進めながらもツッコミを入れる樫野。



「慌てないで、いちごちゃん。代わりの卵はいっぱいあるから」
「落ち着いてもう一度やればいいよ」
「Aちゃん、花房くん、安藤くん...ありがとう」



3人でフォローを入れると、いちごちゃんもさっきの硬い顔が少し柔らかくなったように感じた。すると、そこに余計な言葉が入ってくる。



「3人とも、甘やかすな。誰かがヘマすると、グループは連帯責任を取らされることになるんだ。足を引っ張られるのはごめんだ」
「ご、ごめんなさい...」
「謝るならマシなもの作ってくれ」



確かに、何か悪いことを起こしてしまった時などはグループの連帯責任になるけれど、まさかそこまで言わなくたって。

いつにも増して、今日の樫野は毒舌だ。そうは思うものの、見ていたって何も出来ないなと思った私は、やっとの事でAグループの中で1番遅くミルクレープを作り始めたのだった。



『いちごちゃん、樫野はいつもこうだからあまり気にしないで』
「Aちゃん...」
「おい、佐原。聞こえてるんだからな！！」




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