【BROTHERS CONFLICT】朝日奈家恋愛事情。2

▼衝突.70 ページ29

You side




三者面談が終わった後、要兄さんに「乗って」と促されたので要兄さんの車に乗って家まで帰ることになった。

前にキスされた事もあってか、乗るのに少し戸惑ったが電車と徒歩で帰るのはキツイため、楽をしたいという欲求に負けてしまったのだ。



「...」



だがやはり、気まずさはあるもので黙り込んでしまう。要兄さんはちゃんと運転に集中しているようで、おかげでこれといった会話もない。

何か話せる話題はないかと脳内で探してみるとあのキスの出来事しか出てこない。今、こんなにも要兄さんにの事で頭が一杯になっているのがちょっとだけイライラしてしまう。



要「ねえ、Aちゃん。進路の事だけど、本当にまだ決まってないの?」

「やっぱり、要兄さんもそう言うんだ」



まだ2年生だっていうのに、大人はみんなそう言ってくる。でも、周りの皆は将来こうなりたいとかこの大学に行きたいとかちゃんと決まってる。

実際、双子の兄である侑介だってもう進路先を決めてしまった。自分だけ取り残されてるみたいで嫌なのに、でも自分がどうしたいかは全く分からなくて、目の前に濃い霧がかかっていて。ムシャクシャして。



「皆そういうの。自分でもちゃんと分かってるの。でも...」

要「ごめん。俺はそんな事言いたかったんじゃないんだよ」

「違う」



違う、違わない、違う、違わない。少し喧嘩口調になりながら要兄さんと喋る。でも、私はイライラしている。



要「...俺は、もしAちゃんがまだ進路で悩んでるなら力になるし、俺はAちゃんの意思を尊重するよって」



「じゃあ、何であの時私にキスしたの。私達キョーダイだし、両想いでもないのに何で」



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