【BROTHERS CONFLICT】朝日奈家恋愛事情。2

▼衝突.62 ページ18

You side



ウェディングソングのCDと風斗から押し付けられたDVDのおかげで私のお財布は見事に空っぽになってしまった。今日使ったお金はゲームに費やそうと思っていたのに思わぬ出費。

くそ、椿兄さんに風斗め。お金は絶対に返してもらうんだから。

イライラが募っている中、私はサンライズレジデンスへ急いで帰る。




「はあっ、はいCD」

風「遅い」

「は?」

風「DVD貸りるだけなのにいつまで待たせるワケ?」




了承も得ずにDVDを貸りてこさせた上に文句まで言ってくるとなると、私は黙らずにはいられない。

私はねあんた程じゃないけど忙しいの、わざわざ貸りてあげたんだから感謝しなさいよと売り言葉に売り言葉。このままだと口喧嘩に発展しそうだ。



「はい、これ。ちゃんと貸りてきたんだからもういいでしょ。後でお金返してよね」



と、不満を吐き出したい所を抑えて部屋に入ろうとする。

そうしたかったのだか...、私より大きな手で手首をガシッと掴まれてしまったため、前に進むことが出来ない。



「何?風斗」

風「僕の部屋散らかっててDVD見れないから、姉さんの部屋入れてよ」

「え、無理」



思わず即答してしまった。
だって、私の部屋には自分以外の人に見られたくないあんなものやこんなものが沢山あるんだもの。
別に散らかっているわけではないが、恥ずかしいものが見える所にドドンと置いてあるため入ってこられると困るのだ。

そんな私にお構い無く風斗はねだってくる。

...例え風斗がイケメンアイドルとして世の中の女性にチヤホヤされているとしても、私は姉な上にオタクの端くれだからそんなねだりには屈しないんだから。



「風斗ねえ...。自分の部屋くらいちゃんと片付けなさいよ...」

風「忙しすぎてまともに掃除なんて出来ないんだよ。それに、片付けようと思ったら半日以上はかかるし...ってわけで姉さんの部屋に入れてよ」

「いや、話が繋がらないから。片付けに半日かかっちゃうから私の部屋に入れてって...全く理解出来ない!!」



私が頑固に自分の意見を譲らないので、風斗の顔はどんどん渋くなっていく。

こっちは見られたくない大事なものが託されているにだから簡単に譲るわけにはいかないと約5分程粘ったのだが、結局私は風斗のおねだりに負けてしまった。


あれ、さっきイケメンアイドルに屈しないって言ってた人誰だっけ...あ、私だったわ。



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