【BROTHERS CONFLICT】朝日奈家恋愛事情。2

▼衝突.60 ページ16

You side



重たい空気の中、また人が1人やって来た。



椿「うわー、なんだか空気重くね?」



我が兄ながらこうゆう空気が重たい場面は似合わないなと思ってしまう。
そんな呑気な椿兄さんは、毎朝恒例の朝のハグを私に求めてくる。椿兄さんのテンションを下げないためにハグを交わす。代わりに「ハグー」と棒読みで言ってやった。

調子に乗った椿兄さんは日向にもハグを求めたが、ほうれん草でガードされてしまった。面白すぎて笑いそうになるのを抑える。

その間にも椿兄さんは先程までの会話の内容を聞き出しては、その話題について喋っていた。



椿「じゃあー、俺梓と一緒に歌おっかなー。よし、決まり決まり!...って事で、ACD借りてきてよ」

「...嫌」

椿「えーいいじゃんかー。あ、じゃあ、Aも歌えよー。おーねーがーい」



いい声でねだってくる椿兄さん。流石声優と言うべきか、乙女ゲームを常にプレイしている私にとってその声はとてもズキュンときてしまう。その声が例え兄の声だったとしても。



「っ...い、や、だ！私暇じゃないもん」

椿「ちっちっちっ、声優を舐めてもらっちゃ困るなー。...君姫と兄萌、そして焼肉食べ放題で手を打とう」



肩を組み、顔を近づけて、声を小さくして交渉してくる椿兄さん。
あ、分からない人もいるだろうから説明するけれど、君姫と兄萌は昨年から注目されていた期待の乙女ゲームだ。その2作品に椿兄さんは出演しているのだ。
本来なら私が買おうとしていたゲーム達だか、一気に買ってしまうと私の財布が寂しくなってしまう。そこの所を椿兄さんが買ってあげようと言う交渉みたいだ。

うっ、それに焼肉食べ放題も付いている。流石、人気若手声優だ。
だが、これを了承してしまえば買収されてしまったとゆうことになる。それはなんだか癪に触ってしまうが...。



「よしっ、その取引了承した」
※綺麗に物と食べ物で買収されました。



ガシッっという効果音が付きそうなくらい固く握手を交わす。
やはり、限定版と焼肉に私の強い心は負けてしまうようだ。



椿「じゃ、よろしくなー」

「オーケー」



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