【BROTHERS CONFLICT】朝日奈家恋愛事情。2

▼衝突.74 ページ33

You side




そして、ブライトセントレアの文化祭当日。

普段はあんまり外に出掛けることはないけれど、祈織兄さんの友達もいるわけだからとしっかり身なりも整えた。

綺麗な校舎の正門の前に立って、祈織兄さんに電話をかける。電話をかければ、すぐに出て「今からそっちに向かうよ」と言われたので。少しの間だけ、その場で待つことになった。



祈「A、今日は来てくれてありがとう」

「祈織兄さん!いや、こっちこそ中々行けないブライトセントレアの文化祭に誘ってくれてありがとう。もう今も楽しみでワクワクする!」



祈織兄さんはいつもと変わらない王子様スマイルと制服でやって来た。もしかしたら、クラスの出し物で何か衣装を着ているかもしれないという私の少しばかりの期待はハズレに終わってしまった。

例え、身なりを整えてきたとは言っても祈織兄さんの隣に私が歩いて大丈夫なのかと不安になってしまう。

祈織兄さんと私はキョーダイでも、人によってはカップルだと勘違いする人もいるかもしれない。そんな時、「祈織君の彼女ってなんか地味だよねー。釣り合ってない感じするなー」とか言われたら、すんごく申し訳ない。



祈「どうしたの?A。考え込んで」

「え？！あ、ああ、私と祈織兄さんがカップルに間違われないか心配してたの。祈織兄さんだって、彼女が私だって勘違いされたら嫌でしょ?」

祈「いや、そうは思わないよ。僕は逆に嬉しいかな」



「え?」と言うと共に目を見開く。まさか、祈織兄さんがそんなこと言うなんて...。返事を返そうと思った瞬間、私は祈織兄さんに手首を捕まれ「僕が校内を案内するから来て」と遮られた為、言い返す事が出来なかった。





.

▼衝突.75→←▼衝突.73

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す