ここでまさかの【文スト】 (ページ27)

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太宰side

『うふふ……かんぱーい』

｢乾杯……は良いけど…何の？｣

『勿論、久しぶりの再会の御祝いに決まってるじゃないか』

とある居酒屋

私の目の前に座るのは

あの蛞蝓の元知り合いで蛞蝓の想い人の

そして

私がマフィアを抜けた後の2年間

お世話になった人物であるなちちゃんだ

｢……治は背が伸びたね｣

『でしょ？なちちゃんと違って』

｢酷……私は少し低いだけだよ｣

そう云ッて無表情ながら

ムスッとするなちちゃん

あァ

可愛いままだ

愛らしいままだ

『………それで…なちちゃんは、マフィアに入ッたんだよね？』

｢早いね、もうそんな情報入ったんだ｣

.

『当たり前だよ、なちちゃんの為ならどんな情報でもかき集めるね』

｢何それ、怖ッ｣

.

今度はジトッと云う目を向けられた

それでも可愛らしく見えてしまう

.

｢ねェ治…｣

『なァに？恋する乙女のなちちゃん』

｢…………タチ悪い……｣

『あはは、お見通しだよ』

顔を両手で隠して照れているなちちゃんを見て

嫌気がさす

どうして私の方には見向きもしないのだろう

こんなに君の事を想っている人は居ないよ

後で後悔するよ

私を受け入れなかった事で

この愛を貰えなくなるよ

.

────云えない、云わない

.

.

｢どうしよう治、好きなんだよ中也が

どうしようもなく｣

私だって君の事が久しぶりなのに

どうしようもなく好きさ

─────でも云えない、云わない