あの子の花道 2 (ページ11)

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ージョンヒョン sideー

最終評価の前日リハーサル
全員参加のナヤナから最後のAlwaysまで、合わせられるのは今日が最後

明日、この場所で全てが決まるんだ

「あれ、リーダーここで休憩中?」

JH「合わせ終わったのか?」

「今下でボーカルだけ練習してる。あ、そういえば誕生日おめでとう」

JH「知ってたの?」

「あれデフィ言ってないな。あのケーキ用意したの私なのに」

JH「そうだったんだ。ありがとう、おいしかったよ」

「作ってはないけどね」

いつも通りのパラムに、無意識に入っていた肩の力が抜けていくのが分かった

「なんか、あっという間だったね」

JH「あぁ、今日までずっと走ってきた感じ」

「こんなこと聞いちゃいけないかもしれないけど、ジョンヒョンはさメンバーになれなかったらどうする?」

JH「...正直分からない。俺達は、これからの全てをかけてここに来たから」

既にデビューしていた俺達
ペンのみんなの応援の声や悲しむ声、事務所に対する批判とか、いろんな声が耳に入ってきて
みんなの前では笑ってても、常に恐怖と隣り合わせだった

もし、誰もメンバーに選ばれなかったら

グループがなくなるかもしれない。自分はどうだろう、アイドルを続けられるだろうか

そんな不安が付いてまわって、ここに立つと心なしか足が震えていた気がした

「私にはさ、ジョンヒョンがここで輝く姿しか目に浮かばない」

JH「え?」

「未来のことなんて全然分からないよ。私だってここに立てないかもしれないって毎回思ってた
でもさ、明日のステージはその瞬間しかないって思ったら、自然と気持ちが晴れるんだよね」

おもむろに立ち上がって、センターステージに向かって歩いていくパラム

「こんなちっぽけな人間が、胸を張っていれる瞬間っていつだと思う?」

JH「胸を張れる瞬間...」

「アイドルとしてここに立つなら、目の前の人、ちゃんと見なきゃじゃないって
私はある人に教えてもらった」

今私には、ジョンヒョンしかみえてないよ

その言葉をパラムがどういう意味で言ったのか、今になっても全部は分からなけど

自分のことだけを考えていた自分に気づけたのは、確実にその言葉のおかげだったんだ

「さーて、行くよジョンヒョナ」

JH「...うん」

その背中は、未来にしか向かっていないとはっきり思えた