【銀魂】誰にも言うなよ｡

学ラン男 ページ2

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その学ラン男は無言で立ち上がると腕の中で抱えていた子猫を段ボールのなかに優しく置き、私の方へこれまた無言に歩いてきた。


「え、え…」


襲われる！！

そう思った私は綺麗な回れ右をして全速力で走った。
怖いんですけど！襲われるんですけど！



百メートルほど走ったあと、来てるかな、なんて呑気に後ろをちらりと見れば数十メートル後ろにはあの学ラン男が口角を少しだけあげながら物凄い速さで走ってきていた。

いやいやいや、死ぬ死ぬ。


逃げて逃げて、三分間くらい鬼ごっこをしていたら、なんと信号で止まってしまった。
嘘だろ…、なんて顔をしかめながら後ろを振り返れば私の後ろには息が上がっている余裕そうな笑みを浮かべた学ラン男が立っていた。


なぜ、追いかけてくるのか。
私この人になんかしたっけ。
こんな眼帯してる人、知り合いにいたっけ。


「お前、」


突然声を出したのにびっくりすると学ラン男は腕をあげ学ランの中から何か取り出そうとした。

ナイフがでてくるのか！？
一歩二歩と後退りすれば、そこは赤信号、車が大量に行き交う道路。
トラックが横から走ってきていてそのトラックはクラクションをブーーーと大きく鳴らしている。

身動きがとれず、ただ近づいてくるトラックをボーッと見ていることしかできなかった。

あ、死ぬ。


目をギュット固く瞑れば足が地から離れた。








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