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対抗手段【もみの木】 ページ31

検索サイトを開いたパソコンの前で、少年は幼い眉をまた顰めていた。
時刻は日暮れの後、場所は図書館(もちろん、幻想図書館ではない)。
悠久古書店にて、新たな原本の解放を受けて行った作戦会議の少し後である。
敵方の襲撃まで、まだ少し余裕があるだろうと見て、調べ物をしに来たのだった。

脇には数冊の本が重ねてあり、そのどれもが気象――霧に関するものだった。

原本「かぐや姫」はタチアオイ出版に渡されたようだが、此度も図書館に持っていくような単純なものではない。
改変には帝の能力が必要となる体。
だからこちらは、帝を狙ってやって来る社員たちを迎撃すれば良いわけだ。

必ずやって来るだろう敵のために必死で計画を立てる……配役こそちがえど、まるで「かぐや姫」そのものみたいだ。
思考が横道に逸れたところで、かぐや姫の結末を思い出した。縁起が悪い。

とにかく、こちらもまた、単に行動してうまく行くようなものではなかった。

まず、霧をなんとかせねばならない。
本拠地を防御するだけなのだから地の利はある、あるのだが、あの濃霧を出されてはその利点も活用できない。

そもそも僕の能力使えないし。
前回の戦闘では、能力の範囲外に出てことなきを得たが、今回はあっちが攻めて来るのだからそうはいかない。
能力がない僕なんて、学芸会の木の役並みに役に立たないのだから、これも憂慮すべきことだ。

幸いにも、いくつか役に立ちそうな手段があった。
特に目を引くのは、「火」だ。
なんでも、火を燃やして霧を雨滴とする事で、霧を払うことができるとか。
火は苦手だけど、仕方ない。マッチもいるし、最初から火を焚いておけば、霧に悩むこともないのではないか。
まあ、これだけ調べればなんとかなるだろう!
そう結論付けて、ハンスは書き込んだメモを手に席を立った。

外に出て、いつもより明るくて空を見上げると、満月がこちらを見つめ返している。

早く帰って伝えなければ、と少年は駆け出した。

楽しみ【マイア】→←親友【ノア】



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あぷり(元はる櫻)(プロフ) - 続編で更新します (2017年12月16日 17時) (レス) id: 1e40ca4b4e (このIDを非表示/違反報告)
総悟13@サブ垢(プロフ) - 終わりました (2017年12月16日 14時) (レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
総悟13@サブ垢(プロフ) - 更新します (2017年12月16日 14時) (レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 総悟13@サブ垢さん» 遅くなってすみません、終わりました。 (2017年12月16日 13時) (レス) id: 0d08c1bb88 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/e071ba2eb19/ 続編です。皆様の予約が終わり次第関連付けしますが、もし足りなくなった場合にはこちらに。 (2017年12月15日 19時) (レス) id: d43f25135a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨紗 x他15人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年12月3日 18時

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