親友【ノア】 ページ30
例によって例の如く、作戦会議がさくっと終わり、皆が思い思いの場所にて襲撃を待つ悠久古書店。
俺はいつもより神妙な顔で、親友である帝を盗み見ていた。
先ほど、ロアが原本の情報を持って帰ってくる前の話。
珍しく…本っ当に珍しく早起きをした帝が、俺がよく入り浸っている部屋をノックした。最初に、幻覚でも見ているのかと自分の目を疑ったのは悪くないと思う。
そして、いつもよりも真面目な顔で、ぽつりぽつりと帝は感情を打ち明けた。
俺は黙って聞いていた。なにを言っていいか、正直わからなかったから。
…しかし、帝の言葉が終わり、何かを言わなければならなかった。
帝の
自分の愛した人のため、その人の幸せのため。
この場所に居る彼の姿は。
正直言って、同じ男として誇りに思うし尊敬する。
しかし、その人が向こう側にいると来たものだ。そして今回は彼等の原作。
戦わなければならないことは明白。
まるで何処かのおとぎ話のように。
そんな帝に、なんて言葉がかけられようか……いや、だからと言ってなにも言わない訳にも、なんとなく納得いかないんだけど。
いつの間にか、帝と俺。
あとはストーブ前を陣取って寝ているロアしか居ない空間となったこの場所で、俺は先ほど言えなかった事を帝に伝える。
「あー…えっと…なんだその……帝。
お前はお前のままでいいから…な」
まぁなんというか…その、自分の語彙力の無さに軽く絶望しながら、彼に背を向けて部屋を出る。
部屋を出て、そっと首から下げているロザリオに触れた。
言葉よりも行動…だな。
我らが主よ、どうか我が親友の力となれますように。
久々に主に祈りながら、俺は自分の持ち場へと歩き出した。
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あぷり(元はる櫻)(プロフ) - 続編で更新します (2017年12月16日 17時) (レス) id: 1e40ca4b4e (このIDを非表示/違反報告)
総悟13@サブ垢(プロフ) - 終わりました (2017年12月16日 14時) (レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
総悟13@サブ垢(プロフ) - 更新します (2017年12月16日 14時) (レス) id: 296183b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 総悟13@サブ垢さん» 遅くなってすみません、終わりました。 (2017年12月16日 13時) (レス) id: 0d08c1bb88 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/e071ba2eb19/ 続編です。皆様の予約が終わり次第関連付けしますが、もし足りなくなった場合にはこちらに。 (2017年12月15日 19時) (レス) id: d43f25135a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨紗 x他15人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月3日 18時