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さっきまで山の中にいたはずなのに、目の前に広がっているのは見慣れた高専。
走って乱れていた息を、大きく息を吸って整えながら思考も一緒に整える。
ここが高専のはずがない。
相手を見ていないため、呪霊なのか呪詛師なのかは分からないが、相手の術式か生得領域か。
未だに何も気配を感じないことに気持ち悪くなってくる。
とにかくここには居られないと、高専を出てみることにする。
しかし、気づけばまた高専の入口まで戻ってきてしまっていた。
もしここが相手の領域の中だとしたら、私も領域を展開して出ればいい。
だけど、もし近くに行方不明の人がいたら。
それを考えると、相手の姿を確認していない時点での領域展開は危険だと判断する。
『何が目的なの』
攻撃してこない。
閉じ込めていつか死ぬのを待っているのだろうか。
それなら相手は戦闘を苦手としているのか。
意外にもこれは初めての経験で、慎重に行動するしかない。
とにかく校舎の中を確認しよう。
もしかしたら行方不明者がいるかもしれない。
そう考えて、私は高専の中に入ることにした。
「A?」
後ろから呼ばれた名前。
その声に、私は息を飲んで足を止めた。
どくりどくりと心臓が大きく脈を打ち始め、冷や汗が出てくる。
呼吸が震えるのを感じながら、私はゆっくりと後ろを振り向いた。
後ろに立っていた人物に、私は目を見開き小さくその名前を呟いた。
『…すぐる』
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sou(プロフ) - アコさん» はい!もちろんです!!新しい作品や更新などあったらまた見に来ます!! (2022年1月31日 1時) (レス) id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - souさん» 宿木だけでなくこちらにもコメントありがとうございます!文才素晴らしいなんて本当に本当に嬉しいです…!幸せしかないifストーリーも書きたいとは思っているんですが、なかなか手が出せず…もし書いた時はまたよろしくお願いします! (2022年1月30日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - アコさんの文才が素晴らしすぎて夏油さんと夢主ちゃんのシーンに毎回涙が止まりません、、、泣けるのも好きだけど夏油さんの幸せなシーンも見たいっていうわがままな感情が生まれてます、、 (2022年1月26日 17時) (レス) @page41 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます!どうやって終わらせようか悩んでいたのですが、とりあえず五条オチで書こうと思っています。更新遅れてしまいすみません!引き続き読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします! (2021年1月31日 1時) (レス) id: f73a02885d (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - アコさん初めてまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年1月30日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2020年12月19日 1時