【呪術廻戦】片栗ノ花２

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あれから数ヶ月、あれだけ元気な女の子だったAは別人のように暗くなり、外に出ることが減り、食欲も減り、そんなAに周りの人間はとても心配していた。


夜蛾、パンダ、硝子、歌姫を中心に根気強く声をかけ支え続けた結果、なんとか日常生活は普通に過ごせるまでになった。

しかし、あの頃のような笑顔はない。



未だに傑がどうして帰ってこないのか分からないA。もしかしたら死んでしまったのかもしれないと考えが頭の隅にあった。




黒いランドセルを背負って、学校の帰り道をとぼとぼと歩く。



小学校に行ってくれるか心配していた夜蛾達だったが、Aはちゃんと入学してから今日まで毎日通ってくれていた。



傑と買いに行ったランドセル。
あの時、休みの日は一緒に過ごそうという約束は破られてしまった。
だけど、このランドセルで頑張って通うという約束をAは守り続けた。




「A」



この道を真っ直ぐ歩いて突き当たりを右に曲がって帰る。
いつもなら通り過ぎる横道を、今日は通り過ぎることが出来ずにその場で立ち止まった。


懐かしいと思うほど聞かなかったわけじゃない。ほとんどの時間考えていた人物の、とても聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、Aは勢いよくそっちを向いた。



傑「…久しぶりだね」



『す、ぐる』


予想通りの人物であるのを確認したAは、彼に駆け寄って抱きついた。


『どこ行ってたの！？なんで帰ってこなかったの！？』


Aが叫ぶようにそう問いかけても、傑はそれには答えずに「約束を破ってすまない」と言うだけだった。


『一緒に…帰ろうよ』


涙を浮かべて傑を見上げるAに、傑は少しだけ眉を下げた。


傑「…もう、帰れない」

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