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「うそ、下巻ない！」
三十分ほどして本を読み切ったのだが明らかに完結しておらず本棚を物色していた。しかし、どこを見てもこの本の続きは出てこない。もちろんそうだ。ないものが出てくるわけが無い。絶望だ。
無いものは仕方がないと肩を落として少し早いがゲームの準備をすることにした。といっても衣装に付属してある革製の手袋を付けてゲームに必要になる小包を腰のベルトに付けた。長くくせでカールしている髪をひとまとめに結びフードを被る。
全身鏡の前で立ってみるとここまで小綺麗ではなかったが、過去の私とやはり似ていた。
「無愛想でも可愛いんだよな、私」
頬をくるくるとマッサージしてみると少し表情が柔らかくなったような気がする。我が国王の気に入った顔だ。かきあげた前髪と若干つり上がった目で緩和されているが小さく薄い唇と大きめな瞳は年相応とは言えない子供らしいパーツである。美人とも可愛らしいともどちらとも言えない顔立ちが男性ウケに良いのだ。不本意ながら。
読む本が無くなり筋トレする気力もない。つまりすることがなくなり部屋にいる理由が無くなったということだ。
私は、荘園内を散歩しつつマッチングルームに向かうことにした。
自室を出れば右手にぐんと広がる廊下。左右の壁を等間隔に扉が配置されておりサバイバー達の部屋がそれぞれ一部屋配当されている。
それぞれ部屋にネームプレートが貼られており職業名と名前が書かれていた。私も書くようにと渡されたものがある。そろそろ張り出さなくてはならないだろう。
真っ直ぐ廊下に反って歩いていくと豪邸にあるような大きな扉が現れる。そこを開けると今朝皆で集まった広間がある。ここでは三食の食事やサバイバー同士の団欒に使われるらしい。基本出入りしていい時間などは決まっていないので食事の時間も都合が悪ければ一人で食べたりする人もいると聞いた。人付き合いの苦手な人は食事を自室に運んで食べるのだとか。
馴染めなさすぎてそろそろ私も自室行きなのかもしれない。
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とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 初コメありがとうございます♪そんなふうに言って貰えたなら本当に嬉しいです。これからも更新していくと思うのでよろしくお願いします！ (2023年3月31日 12時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 更新お疲れ様です！朝からいいもの見れた気がする…。あと初コメでした！応援してます！ (2023年3月31日 7時) (レス) @page37 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年3月31日 5時
